今週末は夏の空気から秋の空気に一気に入れ替わったのを感じています。昨日は外を歩いていたところ、初めて金木犀の香りをキャッチ!ああ・・本当に秋が来たんだ!と思いました。
さて、気候が良くなってきたので、私も夏の間は控えていた撮影の仕事を再開しているのですが、みな、考えていることは一緒。どこへ行っても、老若男女、カメラを構えている人たちの多いこと!!有名な撮影スポットなどに一歩足を踏み入れると、自分がうっかり彼や彼女のファインダの中に写り込んでしまわないかと、ヒヤヒヤしてしまうのです^^;というのも、こんなことがあったからです・・・。
去年の秋のこと、隣市にある小さな日本庭園に紅葉を撮影に行きました。小さいけれど風情のある池に映り込む赤や黄色の紅葉がとても美しく、水鳥たちが、その間をゆったりと泳いでいました。カメラを構えて撮影したいと思う気持ちよりも、ただ眺めていたいという気持ちが勝る・・・そんな光景でした。そんなわけで、私はしばしカメラを下ろし、ぼんやりと、その場にただ何をするでもなく、佇んでいたのでした。
ところが、私のちょうど反対側、池の向こう側で、三脚を立てて撮影していた数人の中高年男性カメラマンたちが、こちらに向かって何やら手振りをしています。「なんだろう?私に何か用事でもあるのかな?」と顔をむけると、「ちょっと、アンタ、そこどいてくれるー!」と叫んでいるではないですか!!(驚)
私もそれなりに長いこと写真をやってきておりますので、彼らの立ち位置からどんな景色が撮影できるのかは、想像できます。
自分たちの構図に私が入り込んでしまっていることが、画的にはNGということぐらい、すぐに察しがつきました。モヤモヤしながらも、結局その場を譲りましたが、同じカメラマンとして、なんともやるせない・情けない・切ない気持ちになりました。しかも、私が場所を空けたことに対しての、感謝も謝罪もなかったのです。
実は先日も、似たような場面に遭遇しました。某所に曼珠沙華を見に行ったときのことです。自分が狙っていた花に、黒いアゲハチョウが舞い込んできた瞬間に、たまたま私が通りかかったらしく、(これまた偶然)中高年カメラマンに舌打ちをされたのです。
確かに彼にとっては「邪魔」だったのかもしれませんが、私にとっては、公共の場をただ歩いていただけの出来事でした。
当たり前ですが、花は写真に撮られるために咲いているわけではありません。蝶も、水鳥も、人間のシャッターチャンスのためにそこにいるわけではないのです。花は、ただそこに在るからこそ美しく、見る人がそれぞれの自由に味わえばいいのです。でも、この頃の屋外・・特に有名な観光スポットって、そうじゃなくなってる・・。まるで、「撮られることありき」で、世の中が回っているかのような・・そんな嫌いさえある。
私は、特にクライアントワークで撮影をするときですが、もし、万が一にでも、通りがかりの人に不快な思いや、迷惑をかけてしまった際に、お詫びと一緒に渡せるように、ささやかな額ではありますが、クオカードを持ち歩いています。お詫びをカタチにすることで、相手に意図せずつけてしまった傷を、小さくできることもあると思うので。
クライアントワークの場合、限られた時間の中で仕事を遂行しなくてはならず、周囲の環境への配慮が疎かになる可能性がないとは言えない。その場合、先ずは誠心誠意謝罪するのは言うまでもありませんが、ただその日、その場を、大切な誰かと楽しんでいるだけの人たちを、知らず知らずの内に不快にさせてしまったことの罪はとても重い・・少なくとも私はそう認識しています。
幸い、未だクオカードをお渡しするような状況には遭遇していませんが、それぐらいの配慮をもって、常に現場には臨んでいます。
誇りをもって撮影の仕事をされている方でしたら、何らか当たり前にしている配慮だと思うし、私が改まって言葉にするのもおこがましいことではありますが、秋の撮影シーズンを前に、書き残しておきたいと思いましたのでページを割きました。
撮る側にとっては一瞬の構図かもしれませんが、そこにいる人や自然への敬意を忘れてはいけないと思うのです。
花は「撮られるために」咲くのではなく、「咲くために」咲いているだけ。
その当たり前のことを、忘れてはいけない。カメラを持つ一人として、この頃特に、強く感じています。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
ありおりカウンセリング
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
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心のもやもやは、大きくなる前に話して、ケアしていきましょう^^
hanahiroinoniwa.hatenablog.com
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