わたし歩記-あるき-

あなたの未完了の物語を身体アプローチと対話で再編集する心理カウンセラー のブログです

身体が迷わなくなった

 

 肩書きを、約20年名乗ってきた写真家から、「心理カウンセラー」に変えてから、1か月とちょっとが経ちました。

 

たったそれだけのことなのに、胸の奥がふっとゆるむ感じがあって、自分でも少し不思議な気分で過ごしてきたこのひと月でした。

 

カメラは今でも大好きです。写真を撮ること自体が嫌になったわけではありません。
どこかへ出かければ、心の琴線に触れた風景や、イベント等で人が楽しそうにしている様子を撮りたくなりますし、カメラという存在に愛着がなくなったわけでもありません。

 

それでも、依頼を受けて、人を撮る仕事の前には、いつも隠しようのない、そこはかとなく重たい気持ちがありました。

 

その”重たさ”の中身は・・・

 


うまくいくだろうか、ちゃんとニーズに応えられるだろうか。

 

そんなところだったでしょうか・・・。

 


言葉にすると大げさに聞こえるかもしれませんが、身体のどこかがずっと緊張していたように思います。(もちろん、現場でお客様と過ごす時間はかけがえのないものではあるのですが・・)

 

長いあいだ、その感覚の正体は「自分の自信のなさ」や「スキル不足」故だと思ってきました。


でも最近になって、少し違う見方ができるようになりました。


写真の現場では、


自分という写真家の存在=仕事の成果物

 

だと、無意識に見なしていたように思います。


外側からの評価や比較、影響力という目に見えない物差しの中で悲鳴をあげていた心を、身体は一生懸命に(緊張という現象を通して)守ってくれていたのかもしれません。

 

 

一方で、今、カウンセリングの現場にいるときの私は、少し違います。

ここでも緊張がゼロなわけではありません。


でもそれは、上手くやらなきゃとか、成果をあげなきゃとか、失敗したくないという緊張ではなくて、目の前のクライエントさんたちの人生に関わることへの、静かな責任感のようなものからの緊張です。

 

ここでは、自分の証明なんて不要。誰と競う必要もないし、急いで結果を出そうとあくせくしない。むしろ、カウンセラーが急いで結果を出そうなんて思っていたら、クライエントさんの心は壊れてしまう。

 

ただ、その人の心が解けていくプロセスに伴走し、腰を据えて見守り続けること。
その在り方に、私の身体はどこか安心しているようなのです。つまり、人とそのように関わっていきたいという、私の本心・願い、本来そのもので在れているのです。

 

正直に言うと、もっと早くからカウンセラーとしてやっていればよかったのではないか、最初からこちらの道に来ていれば、遠回りをしなくて済んだのではないか、
そんなふうに思うこともあります。

 

でも今は、はっきりとわかります。
それは、きっと無理だったのだと思うのです。

 

 

写真の仕事をしていた時間は、ただの寄り道ではありませんでした。
人の内側に近づくこと、言葉にならないものを感じ取ること。
踏み込みすぎない距離感や、境界線を守る感覚。
それらを、撮影という仕事の中で、身体を通して覚えさせてくれた時間でした。

 

もしあの頃、頭で「私はカウンセラー向きだ」とわかって方向を変えていたとしても、
今のように、急がず、奪わず、相手のプロセスを信じて待つ在り方は、まだ身体には育っていなかったと思います。

 

今振り返ると、写真撮影の仕事は目的というより、ここへ来るための助走だったのかもしれません。

 


助走が終わった、と聞くと少し寂しく感じるかもしれませんが、実際の感覚は喪失というより、静かな納得に近いものです。

 

当然ですが、心理カウンセラーとしてちゃんとできているのだろうか、と考えることは日常茶飯事です。


でも、不思議なことに、そこに緊張や重さを感じたり、そこから逃げたいといった気持ちはありません。


わからなさや揺れを抱えたままでも、続けていこうと思える・・その覚悟が、いつの間にか自分の中に育っていました。

 

心で決めたというより、身体がもう迷っていない・・


そんな感じがしています。

 

ようやく居場所にたどり着いた、という言葉が、今の感覚には一番近いのかもしれません。

 

 

もし今、自分の使命や、やりたいことがわからなくなっている人がいたら、何を選べばいいのか、どこへ向かえばいいのか、頭では考えているのに、身体がついてこないような感覚がある人がいたら・・


それは、迷っているのではなく、身体がすでに何かを知っているサインなのかもしれません。

 

 

「好きだったはずなのに、前ほど心が動かない」
「頑張ってきたのに、どこか不全感があって重たい」


そうした感覚は、失敗や後退ではなく、あなたの中で背負ってきた役割が変わる前触れであることもあります。

 

 

無理に答えを出さなくていいし、急いで決めなくてもいい。

 


心が追いつかなくても、身体が少し楽になるほうを、しばらく大切にしてみる。

その先に、思いがけず「ここだったんだ」と感じる場所が、待っていることもあります。そう、私自身がそうだったように・・・。

 


時間はかかりましたが(いや、ほんとにね💦)、その時間も含めて、今は必要だったと思えています。

 

 

もしあなたが今、前に進めていない感じがしたり、立ち止まっている感じがあるとしたら、それは、あなたが遅れているからではなく、次の場所に向かう準備をしている途中なのかもしれません。

 

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

あなたの未完了の物語を身体アプローチと対話で再編集する心理カウンセラー
・愛着の傷 / 生きづらさ / 発達凸凹
・身体アプローチ × パーツセラピー × 原始反射統合
・心の安心基地をつくっています
日本心理学会認定心理士 / 療育整体師

さとうみゆき

 


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