「罪悪感を手放すと人生が上手くいく」
このフレーズに、自分を癒す旅の中、これまで何度か出逢ってきました。当時自分にとって「罪悪感」だと思っていたことの内容には、以下のようなものがありました。
「どうして私は××さんに比べて〇〇ができないんだろう?だから劣っている。」
「〇〇できないから(〇〇であれないから)、わたしにはそこに居る価値がない」
「もっとわたしが~~なら、人に好かれ大切にされるのかな」etc.....
これらをわたしは「罪悪感」と認識し、自分の意識から完全排除できたあかつきには、「自信」がついたり、自分を好きになれるのではないか?と思っていました。
ただ、この「罪悪感を手放すと人生上手くいく」という視点を持ち続けていると、必ずある時点で、「それって、本当にそうなのかな?」という矛盾にぶち当たるのでした。例えば、明らかにこちらの不手際でクライアント様を失望させてしまった時や、自分の采配ミスで、仕事仲間に迷惑をかけてしまった時などです。
「あ~、申し訳ないことをしたなあ・・・」
この「罪悪感」を手放すというのは、どういうことなの?
「自分は悪くなかったんだよ」と開き直れって意味なのかな?
でも、それって何だかおかしいよね?
で、挙句、「自分の責任でミスをしたのに、それをなかったことにしようと試みている私って、なんて最悪な人間なんだろう!」と、奇妙な自己卑下のループの深みに絡めとられてしまうのでした。
この往年の矛盾がすっきり解けたのは、先日もご紹介した、ブレネー・ブラウンの、『本当の勇気は「弱さ」を認めること』のおかげでした。
著書の中では、「恥」と「罪悪感」と「屈辱感」と「きまり悪さ」の違いについて以下のように述べられています。
恥と罪悪感の違いは、「私は悪い人間である」と「私は悪いことをした」との違いとするのが一番分かりやすい・・・(中略)たとえば、あなたが正午に友人とランチの約束をしたのを、すっかり忘れていたとする。12時15分、あなたが来ないのを心配した友人がレストランから電話をかけてくる。そのときのあなたのセルフトークが、「私ってなんて間抜けなんだろう。友達として最低最悪、ダメな人間だわ」なら、それは「恥」の感情だ。「しまった。とんでもないことをしてしまった」なら「罪悪感」だ。私たちは、恥を感じると、何か、または、誰かのせいにしたり、自分の過ちを正当化したり、心にもない謝罪をしたり、逃げ隠れしたりして、身を守ろうとすることがある。・・・(中略)自分の行動をわび、償い、自分の価値観に反する行動を変える原動力となるのは、ほとんどの場合、恥ではなく罪悪感の方だ。自分の価値観に反する行動をして矛盾に気づいたとき、私たちは罪悪感を覚える。それは不快な感情ではあるが、プラスになることが多い。この罪悪感は恥と同じくらい強い力があるが、罪悪感が建設的な方向へと働くのに対し、恥は破壊的な方向に働く。恥は「私は変わることができるし、もっと良い行動がとれる」という自己への信頼感をむしばむのである。
この部分を読んだ時、私がずっと手放したいと思っていたのは、「罪悪感」ではなく「恥」の感覚だったのだ!と腹落ちしました。そして、かつて自分を癒すためだからといって、「罪悪感はぜんぶ手放すんだ~!」と宣言し、「人に借りたお金は返さなくていい!そのままの自分でOK!」、「待ち合わせ時間に遅れる自分もありのままの自分だからOK!」としていた人たちに抱いていた違和感の謎も解けました。なぜなら、それこそが「恥」の破壊行動による暴走だったからです。
適切なタイミングで適切な「罪悪感」を持つことは、自身を癒し、自信をつけるためには必須なのです。翻って、「恥」の感覚というのは、幼少期から影響を及ぼす”トラウマ感情”と切っても切れないものですが、この「恥」へのアプローチこそが、本来は検討され、注目されるべきなのでしょう。
これは「恥」からの感情だろうか?
それとも「罪悪感」だろうか?
この頃、IFSのセルフセラピーが定着してきたおかげで、「恥」と「罪悪感」の区別を観察できる機会がどんどん増えてきました。そして
「行動の成功・不成功=人間性への評価」
という自責的既成概念の呪縛が解かれ、自分が至らなかった部分には適切な罪悪感を持って、慌てず、騒がず、責めず、淡々と対処できるようになりつつあります。
「罪悪感」と「恥」をごちゃまぜにしなくなると、
それまで見えてこなかったことが、見えてくるかも知れません。
きょうも、最後までお読みくださり
ありがとうございました^^
さとうみゆき
夏雲システムを使った
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