わたし歩記-あるき-

心と向き合う写真家の学びの記録*

私たちはいつから数値でコミュニケーションをするようになったのか

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 はてなブログから、”はてなスター”の見た目がリニューアルされたとの連絡がありましたね(こちらは、外した矢先だと言うのに^^;)。スターを押すたびに、”きらきらりーん”と丸いアイコンがくるくる回って、ちょっぴりチカチカするのはご愛嬌ってところでしょうか?

 

 ”はてなスター”しかり、インスタ,Twitterの”♡”しかり、Facebookのいいね!しかり。ここ十数年の間に、私たちのコミュニケーションの一手段として、「数値」は大きな役割を果たすようになりました。投稿に対して、敢えてコメントを残すほどではない時や、逆に、何か伝えたいけれど、言葉が見つからず、無力感に押しつぶされそうなときなど、この「☆や♡やいいね!」を押すアクションに、助けられたという方も実際には多いことでしょう。

 

 ところで、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の認知神経科学者である、ローレン・シャーマンの、SNS投稿と数値に関するこんな実験をご存知でしょうか?

↓  ↓  ↓
 

https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797616645673

 

 シャーマンは、13歳から18歳までのソーシャルメディアを使う若者を対象に、インスタグラムによく似たSNSを使ってもらい、その時の彼らの脳をfMRIで調べました。

 

 実験に参加した若者は、自身が提供した40枚の写真を含む148枚の写真を10分間閲覧します。その間、写真には、他の実験参加者からの「いいね!」の数が表示されるのですが、実際のそれらの数値は、研究者側が割り当てたものだったのでした。すると、自分の写真に「いいね!」がついた若者は脳の報酬中枢である側坐核が活発に反応したと言うのです。ちなみに、この側坐核は、ショッピングやギャンブルなどの依存症に関係する部位と言われています。つまり、「満たされた~」と錯覚させ、「また、あの快楽を得たい!」と終わりなき行動を促すのが、この側坐核なのです。10代は側坐核がもっとも敏感に働く時期とも言われていることから、若者のスマホ依存が増幅する理由にも頷けます。

 

 ところでシャーマンは、実験参加者の内、半分の若者には、「いいね!」が少ししかついていない写真を見せ、同じように10分間閲覧をしてもらいました。するとどうなったと思いますか?同じ写真を見せていたのにも関わらず、「いいね!」の数が多い写真にほど、彼らの報酬中枢は過敏に反応したそうです。つまり、「いいね!」の数が少ない写真はあまり好まれず、「いいね!」の数が多い写真ほど「好まれる」傾向が強かったというのです。シャーマンは、「若者たちは、自分自身のお気に入りさえ、他者からの数値に従って決めているのではないか?」と、この実験結果を危惧しています。そう考えると、既にソーシャルメデイアに親しむことが当たり前となっている私たちは、いつの間にか自身の価値観や視点を、他人から支持されるか、されないかといった価値観に乗っ取られている可能性があるのかも知れません。

 

 

 

 この報酬中枢への刺激と関連しているのはドーパミンという神経伝達物質なのですが、よく歓びや幸せを感じるためには必須などと書かれているのを見かけます。ただ、ドーパミンがもたらすのは「幸せ」や「歓び」というよりは、むしろ、何か楽しいことへの「期待=ワクワク=スリリング」といった意味の方が強いのです。ゆえに、辛い時や落ち込んだ時にお酒が飲みたくなるのは、楽しいことへの期待を求める気持ちもあるからでしょう。ただ、依存性が問題。そこで昨今では、ドーパミン的な快楽から、セロトニン的なほっこりした幸せ指向をすすめる研究が増えているようですが・・・。

 

 

 奇しくも、スマホの使用時間を減らす目的から、インスタの「いいね」表示を自分自身と他者のアカウントを含めてオフにしたばかりだったのですが、わたしにとっては、2つの意味で興味深く思っています。

 

 ひとつは、自分のアカウントへの「いいね」の数を伏せることで、他者からの反応はこれまでと変わるのか?

 もうひとつは、他者の写真への「いいね」の数が見えないことで、わたし自身の他者の写真に対する見方、視点、嗜好、感覚に変化があるのかどうか?

 

 

 特に、今年は写真展を控えていますので、展示作品を選ぶ際に、「この作品は確か人気があったんだよな・・」などと、よもや無意識にでも心が動いてしまうことだけは避けたい。^^;シャッターを切ったのは、他でもないこの私で、展示をするのもこの私、ですからね。他の誰がどう思おうが、自分が納得した作品を展示できるほうが、(来場者の大小に関わらず)終わった後に、(依存性のない)静かな充足感を感じられるのではないかな?そう思っています。

 

 

きょうも、最後までお読みくださり
ありがとうございました^^
さとうみゆき

 

 

 

 

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