よく「話すは放す」などと言われ、胸につっかえていることを人に話すと心が軽くなる・・という喩えに使われることがあります。
実際にこれは単なる喩え話ではなく、人間というのは、未完了になっている感情を他人にちゃんと理解してもらえると、症状が改善されるとも言われています。
「傾聴」って、単に話を聴いてもらうだけなんでしょ?と思いきや、しっかりと傾聴の訓練を積んだ人間が「聴く」ことで生じる、クライエントの症状の改善には、ちゃんとした理論があるわけです。
ただ、なんでもかんでも、悩みや心の鬱屈を話せばいいのか?!というと、そうではないのですね^^;
特に、重度の虐待のトラウマや、本人でも自覚できないくらい、心の奥底にしまい込まれてしまっている傷の物語については、闇雲に人に話すことで、かえって嫌な記憶を強化してしまう・・という場合もあります。
アメリカの9.11の際には、事件後半年以内に、傾聴をたくさん行った人の方が、トラウマの解消までに時間がかかってしまった・・という事例も報告されています。
トラウマにつきものなのが、フラッシュバックです。
これは経験したことがないと、なかなか信じてもらえない症状なのですが、ごくごく普通の日常を送っていたとしても、何かその人にとってトリガーとなるものに触れた瞬間に、嫌な記憶や感覚が脳をハイジャックしてきて、本人の意思ではどうにも止められなくなるのです。
フラッシュバックを治療するには、それが起きてしまう背景となった出来事を無理に人に話さない方が良いのです。むしろいったんは、封じ込めてしまった方がいいと思う。(これには、お薬の力を借りるのもあり)
そして、右脳に閉じ込められている嫌な記憶を、安心・安全に処理できるよと身体が許可をしてくれてから、少しずつ、少しずつ、話していくこと。そうすると、たとえトラウマを思い出したとしても、「あれはもう過去のこと。〇〇については揺らがない、引きずり込まれない」・・・という自信が生まれてきます。その状態から、信頼できる相手に自分のペースで、語り始めるようにすると良いと思う。すると、それらは時系列の「過去」なのだと、脳が認知をし始めます。(ここからは通常の傾聴のプロセスですね!)思い出す許可をしないのに、脳を自動でハイジャックしてくるフラッシュバックは、これを境に、思い出そうとするから思い出す、「記憶」へと変わっていきます。
先日、傾聴のセッションの中で、クライエントさんが、
「ようやく、佐藤さんにこのことを話せるようになりました!」
というフレーズをおっしゃったのですが、その「ようやく」は身体、自律神経が「安心・安全」を許可したことによる「ようやく」だろうと思います。
自律神経ってすごいんですよ!
カウンセラーがね、どんなにニコニコしていたとしても、優しそうに見えたとしても、いい人っぽく見えたとしても、危険だと思ってる間は、テコでも動かないんです!
それぐらい、満身創痍のあなたを、ずーっと守ってくれている存在だということ。
だから、私も最大限の敬意をもって、その方の自律神経と接するのです。
傾聴を申し込まれるクライエントさんの中には、「話したくて申し込んだのですが、その場になったら、何を話したかったのか、よく分からなくなってしまって・・」と仰る方が、割と多いのですけど、恐らく、頭では話してしまいたいことも、自律神経の方は、「この人に話してしまっても大丈夫なのかな?」とまだサバイバルモードなのかも知れません。そんな時は、無理して話そうとしなくて大丈夫。それよりも世間話や全く関係ない話をすることの方が、本当に話したかったことを話せるようになるための、近道なのかもしれません。
☆12月26日から1月5日まで冬休みとなります
新年のセッションのご予約は6日からとなります。
宜しくお願いします。^^
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
ありおりカウンセリング
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
傾聴・カウンセリングお申込みフォーム
(40分 3,300円)
心のもやもやは、大きくなる前に話して、ケアしていきましょう^^
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