チームなり集団・組織の発展は、その組織のリーダーの器の大きさを絶対に超えない
と言う格言。よく耳にはしていたのですが、その実どういうことだろう?と思っていた時期がありました。
その謎が「そうか!だからか!」と合点したのは、大学の社会心理学で学んだ、「ブレーンストーミング、3人寄れば文殊の知恵は本当か?」というテーマにおいてでした。
「ブレーンストーミング」というのは、ある事柄に対して、間違っている・正しいはひとまず脇に置いて、集まったメンバーで自由に意見を出し合う・・すると、そこから新しいアイデアが生まれる!という集団の良さや利点を謳った思考法ですが、実はこれ、気を付けないと全く逆効果だよという実験の結果があるのです。
ブレーンストーミングの成果は、その話し合いをまとめているリーダーの性格や人間的な資質が大きく影響してくると言います。
一見、自由にアイデアを出し合える場に思えるブレーンストーミングですが、実際はどうかと言うと、無意識に「リーダーが好みそうな意見を忖度する」という人間心理が働くのだそうです。
リーダーが過激な意見を好む人物であれば、やや過激な意見を。
リーダーがコンサバな意見を好む人物であれば、ややコンサバな意見を・・と言うように。
気づけば、みんなで自由に意見を出し合ったようでいて、リーダーが最も好みそうなアイデアの平均値のような決定がされていく。平均値だから、何となく全部が入っているけれど、大事なコアも薄まったような・・モヤモヤする結論っていうんでしょうか?
そしてその会議が終わった後は、どっと疲れる。これ、話し合う意味ってあったんだろうか?と皆が内心では思う。
それもそうです。だって、新しいアイデアを生み出すのに時間を使ったんではなくて、リーダーが「うん」と納得するような意見を、皆で探り合った時間なんですから。
だったら最初からリーダーが決めた意見にすればいいじゃん!って話になって、次第にその組織は死んでいくのですね。クリエイティブな人から組織を去っていきますので、YESマンだけが取り巻きとして残っていく。これが、緩やかな組織の衰退の始まりなのです。
私のクライエントさんの中には、創造的なアイデアを出せば出すほど仲間に疎まれて、つまはじきにあって、「私がおかしかったんでしょうか?」と訴えて来られる方もいらっしゃいますが、そんなことはないです!むしろ、あなたのような賢い人を使いこなせなかった、そのポンコツのリーダーが残念な人なのです。
でも、実際に特に日本のような国では、残念なポンコツリーダーってすごく多い。権力者に合わせていくスキルを持った人も多いから、需要と供給が合ってしまうのですよね。
そういった風土の温床の影響も鑑みた上で、不幸にして素晴らしい才能に傷をつけられてしまった方たちが、どうしたら生きやすくなっていくのか・・・。どうしたら、上手く立ち回っていけるのか?
やはりリーダーとなる人への多角的な心理教育を、もっと充実・普及させていくより他ないのではないかと感じています。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
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写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
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