わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

心理職資格の使い道

Sonyα7Ⅳ with SIGMA 85㎜ F1.4 dgdn art

 

 昨夜は、テレビ局各社ともに、入社式の様子を特集しているチャンネルが多かったように感じました。新入社員の方たちのスーツ姿と言うのは、何やら本当に眩しいものです。

 

 そう言えば、私も昨年の春は、二度目の大学を卒業し、カタチの上ではありますが”新卒”だったわけです。(笑)在学中には、産業カウンセラーという民間資格と、日本心理学会認定心理士を取得しました。今年は資格保有後2年目ということになります。

 

 この春から、本格的に心理職を目指そうとする方もいると思います。心理学部を卒業していない場合、先ずはこの「認定心理士」を取得することを目標に頑張る・・という方は多いと思います。ですが、いざ取得したとしても、巷のクリニックや心療内科からの求人条件は、やはり国家資格である、臨床心理士、公認心理師であるために、あんなに苦労して取得した「認定心理士」の資格は、正直、無意味だったんじゃないか?と思われている方も多いのではないでしょうか?

 

さらに、民間資格である産業カウンセラーに関して言えば、実際に企業に勤めている方であれば、その資格を得たことを申告し、会社の人事部等に異動した上でスキルを活かす・・といったキャリアデザインもできますが、産業医を置くことが義務となっている大企業でさえ、社員のメンタルヘルスに関しては産業医が主たる窓口となっているために、フリーの産業カウンセラーは、なかなか活躍の場を得ることが難しいのが現状です。

 

いったい、何のために、高い授業料と資格申請料を払ってこれらの資格を維持しているのか?!やっぱり、国家資格を得ないと話にならないのか?!

 

この疑問を感じて、資格を手放す方も、実際少なくないと聞いています。

 

 

で、私の場合ですが、上記のような悩みを、この1年一通り経験してきました。ただ、私の場合は、本業が対人サービス業である写真業であるため、学んだことが無駄になったと思ったことは一度もありません。また、密かに貢献できたのではないか?と思っていることのひとつに、夫の会社の環境サポートがあります。

 

 

夫の働いている会社は、そこそこの従業員を抱えた大企業ですが、7年くらい前から、管理職に対して厚生労働省が管轄する「メンタルヘルスマネジメント2級」の資格取得が義務づけられました。これが何を意味するかと言うと、もし、パワハラやセクハラなどで部下を休職や離職に追い込んでしまった場合、昇進条件のマイナスとしますよ!こちらは学ぶ機会を与えたのだから、知らなかったでは済まされないよ!という警告も含んだ処置なのです。

 

管理職である夫も、当然この資格を取得しました。が、言ってもこれ、丸暗記試験です。(まったく無駄とは言いませんが)法律としての知識で人の心が救えるなら、カウンセラーなんて不要です。^^;夫には、心理の専門知識はないですし、どちらかと言うと、仕事はまあまあ出来てもおべっかやお世辞が言えず、愛想があまりない彼には、ともすれば部下からパワハラと受け取られかねない性格要素が多々ありました。

 

配属される組織が大きくなればなるほど、部下の多様性も増します。当然その中には、パワハラ等で、心を病んでしまった社員さんもいます。仕事を与え過ぎてもダメ。与えなさ過ぎてもダメ。夫は彼らへの接し方が、ほとほと分からなくなって困っていました。それに加えて2年前からのコロナ禍です。リモートばかりで、部下との関係性をどう築いていけばよいのかは、ますます暗礁に乗り上げていきました。

 

当初、夫の仕事には口を出さないを決め込んでいた私でしたが、徐々に悩みの壺に落ちていく彼をみかねて、時々職場の話を聴くようになりました。まさに夫専任の産業カウンセラーとなったのです。不思議なもので、部下の様子をじっくり聴いていると、その方への見立て(心理アセスメント)が少しずつ見えてきます。恐らくはこうだろう・・というケースワークを伝えて、何度もトライアンドエラーしていきました。

 

すると、徐々にではありますが、仕事に来られなくなっていた人も、半年、1年、2年と働けるようになってきたのです。当事者へのカウンセリングではなく、環境側を整えることでも、鬱を患っていた人が回復することを経験・目の当たりにしたケースでした。もちろん、その人がしっかりと医療や専門家のケアを受けていることが大前提ですが。

 

そういう人が、ひとり、またひとりと増えたからでしょうか。この春から、夫はこれまでよりも大きな組織に異動し、そこで直属の部下として、1年以上休職していた方が職場復帰をする形で配属されました。

 

その話が決まった直後から、私はその方の状況のヒアリングを始めました。その上で、あらかたのその人の見立てを夫に伝えて、接し方の方向性を定めました。この先上手く運ぶと良いなあと祈っています。今夜は状況をより把握するためにも、夫はその部下と食事をしてくるそうです。そこでの会話を聴けば、私の方でも、さらに精緻な対処法方が見いだせるのではないかと思っています。

 

私は現場に関わっている産業医や、産業カウンセラーではないですが、自分自身でこのようなケースを体験すると、世の中の管理職の方が、もっと気軽に部下のメンタルヘルスを相談できる場があればいいのにと思ってしまいます。心が健康な人にとっては、心療内科や心理カウンセリングなどは縁遠い世界かも知れませんが、部下の心理的安全を確保する環境を作ることができれば、結果、自分の評価も、会社の業績も上がると思います。

 

で、何の話だったかというと、国家資格を持っているわけではないけれど、学んだことは、どうあれ社会に還元しようと思えばできるんだな・・と言うことを実感している、心理畑2年目の春・・なのです。^^

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき

 

 

 

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