実家によく帰るようになってからと言うもの、共通の話題として、父とよく話すようになったのは、父が子どもだった頃の話です。
おじいちゃん（父親）はどんな人だった？
おばあちゃん（母親）はどんな人だった？
以前は、自分の過去をあまり話たがらない人でしたが、最近は楽しそうに話してくれます。そして私はというと、その話を元に、少しずつ家族のコンステレーションを作成していきました。半分は娘の顔で、そして、もう半分は、カウンセラーの顔で。この後の”もう半分の顔”に、これまで何度も窮地を助けられてきました。
私の祖父、つまり父の父は本家筋の分家の次男坊として生まれました。まだ祖父が幼児だった頃、跡取りが生まれなかった本家から、祖父を養子として迎え入れたいという申し出があり、祖父は幼くして実母と離され、本家の長男としてもらわれていったそうです。ところが、祖父が7歳ぐらいになった頃、本家の夫婦になんと実子が誕生します。当然、本家だって跡を継がせるなら実子が良いに決まっています。なんと祖父は、生まれた実家に返されることになってしまったのでした。
幼く、自己主張ができないとは言え、実母と離れ離れにさせられた子どもの自律神経の状態がいかに脆く、相当なサバイバルモードであったかは、今の私には容易に想像できます。そして、今度は問答無用で実家に戻されたのです。これが自己肯定感を破壊し、どれだけの生きづらさを祖父に負わせたことか・・・。
祖母の話では、祖父は子どもにも、祖母にも、とても厳しい人で、我儘や、口答えをしようものなら、直ぐに怒鳴る、叩く、殴る・・人だったそうです。恐らく、皮肉にも甘えられる身近な人間関係にほど、幼少期に培われた自律神経系のサバイバルモード（闘争モード）が全開となったためでしょう。
その一方で、ご近所や職場の人に対しては、自己犠牲を惜しまない、誰からも「仏様みたいな方ね」とよく賞賛されていたそうです。これはむしろ、外の世界は危険と自律神経が認識しているからこその、生き残りのための必死の命乞いみたいなものです。「良い人」の仮面をかぶったまま外せなかった祖父は、相当に生きるのがしんどかったはずです。
それなのに、妹の嫁ぎ先で妹の夫が戦死し、明日生きるのもやっとという時には、自分の給料のほとんどを妹の家に渡してしまい、自分の家の家計は火の車だったそうで、父はそのことをひどく恨んでいるようでした。
私は祖父が、愛着障害（もしくは愛着不全）だったと分かり、父がどうしてああいう性格となったのか？の謎が解けた心地がしました。
そんな祖父だったから、祖母は穏やかな周産期を過ごしてはいなかったはずです。恐らく、いつ怒られるか分からない緊張と恐怖でいつも怯えていたことでしょう。するとどうなるか・・と言うと、胎児の原始反射による恐怖麻痺反射は未統合となり、生まれてからも常にサバイバルな環境に置かれることで、今度はモロー反射の統合に不具合が起きてきます。父が昔から、異常なほど光や音や触感に敏感なのは、そのためだったのでしょう。本来は子どもを守ってくれるはずの母親（祖母）が、残念ながらしっかり機能していなかったということは、父も祖父と同じ愛着障害ということになります。
さらに、父が家庭にもたらす緊張と緊迫は、私の母を同様の周産期へと導いていきます。私に恐怖麻痺反射とモロー反射の未統合が起きていたことも、これで納得です。私自身の過敏性や生きづらさもここが根っこだったのでしょう。何故なら、それが統合されてきた今、こんなにも生きることが普通に楽しくなってきたのですから！
虐待が世代間連鎖しないことは、近年研究によって分かってきています。
ですが、もし受け継がれているものがあるとしたら、それは家族間で受け継がれた「愛着スタイル」であり、生きづらさのスイッチを入れてしまう「環境」そのものなのでしょう。
ようやく、長年探し求めてきた、「どうして自分はこうなったのか？」という問いに、終止符が打てそうな気がしています。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
傾聴・カウンセリングお申込みフォーム
（40分 3,300円）
花拾いの庭公式ＬＩＮＥができました！
ご登録の方には、たったの3分ほどで、副交感神経（腹側迷走神経系を活性化）をリラックスさせ、サバイバルモードから抜ける動きをレクチャーした動画を自動でプレゼントしております。
◆お部屋に癒しの空間をもたらすアートも販売しております
額装済ですので、直ぐに飾って楽しめます！
↓ ↓ ↓
https://miusato.com/onlineshop/category/item/itemgenre/framephoto/
