わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

「安心」ということについて再び考えてみる

 

 このブログでも、過去何度も取り上げている「安心」というテーマについて、今日は改めて考えてみたいと思います。

 

 

 人間がするすべての行動(意識的なもの、無意識的なものも含めて)の動機は、「安心」です。

 

 例えば、お水を飲みたいと思って、コップにお水を入れて飲んだとします。

 

これは、身体が渇きを覚え、「水分を補給しないと生命維持が危ういよ~」という不安信号が脳に送られることで、「コップに水を入れて飲む」という行動が生まれます。そして、渇きが潤されることで、生命維持の”安心”が得られたことになります。

 

食事はもっと分かり易いと思います。食べることで、「お腹が空いたよ~!食べないと生きられないよ~!」という不安は消えます。満腹=安心するのです。

 

 

また、上のどちらの「安心」にも共通しているのは、お水を飲めば喉の渇きが癒えるし、食事をすれば空腹の不快感がなくなるという、「予測可能」の認知があるということです。

 

 

その行動をすることでどうなるのか?という結果が分かっているから、私たちは当たり前のように、深く考えずに、お水を飲むし、食べるのです。

 

 

ところが、人間関係においては、この予測可能から生じる「安心」の感覚がその人を苦しめてしまう場合があります。

 

 

 

例えば、あなたが、感情に一貫性がなく、直ぐにキレる養育者の元で育ったとしましょう。あなたは自分の「安心」を確保するために、常に養育者を観察して育つことでしょう。そして、相手がどんな時に機嫌が悪くなるのか?殴ってくるのか?優しくしてくるのか?そのタイミングが手に取るように分かるようになっていきます。そう、相手の反応の予測が上手になっていくのですね。

 

次に、相手のご機嫌をどう取ったら良いのか、その方略も上手になっていきます。もし仮に、あなたの行動で、相手がご機嫌になってくれたのなら、あなたの自律神経は「相手と気持ちが通じ合ってる=安心」と自動的に判断します。それを積み重ねることで、どうなっていくかと言うと・・・

 

 

自分の感情はどうあれ、相手に合わせて機嫌をとれれば安心を得られる

 

 

という「安心」のスタイルが、あなたの中にどんどん強固に育っていきます。そして気づけば、「安心」を得るために、養育者と同じようなタイプの配偶者を選んでしまったり、人間関係に身を置いてしまったりするのです。

 

 

頭では、「何かがおかしい・・」、「どうして私は、人に合わせたり、利用されてばかりなのだろう?」と思うのですが、自律神経が、それが「安心」だと判断して、言うことを利かないので、どうしようもありません。それを第三者から、「行動を変えなさい!」とか、「あなたが悪いのよ!」「あなたが、そういう人間関係を引き寄せてるのよ!」なんて言われても・・・って感じです。

 

何故なら、彼らには、相手に合わせて得られる安心のプロセスはあっても、相手と対等に意見を言い合って、認め合って、理解し合って得られる安心の経験がないからです。

 

「人に合わせる」ことで得られていた「安心感」を手放すのは、時にとても勇気がいることでしょう。ですが、お互いを対等に労わり合うことで得られる、本当の「安心」が、この世の中にはあるんだよ・・ということが受け取れる土台を、少しずつ、でも、確実に、構築していけるように、私もサポートしていきたいと思っています。

 

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき

 

 

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