今日は愛着障害の回復モデルの一例について書いてみたいと思います。
hanahiroinoniwa.hatenablog.com
先日、こちらの記事でも書きましたが、「愛着障害」と「愛着不全」というのは、似ているようで全く違うアプローチが必要となります。
上の記事の中で、
通常、子どもは二次反抗期を迎え、親から押し付けられた規範にNOを突き付けます。そんな子どもに親は全力で立ち向かいます。激しい闘争の末に、子どもは「親も神様じゃないんだな。親も人間なんだ。いつも正しいわけじゃない。私は私のルールで生きても良いんだ!」という心性に至り、無事に成人期へと入っていきます。
と書きました。愛着障害の人も、愛着不全の方も、この二次反抗期を完了していないという点は同じなのですが、愛着不全の方は、「やってはみたけど、完了しなかった」だし、愛着障害の方は、「そもそも、反抗さえできなかった」と言う点で大きく違います。
愛着障害の方は、親からのそれではなく、学校や会社、つまり社会が「こうだ!」と押し付けてきた「ルール・規範」を死守することで、自らをサバイバルさせようとします。そこに、自分自身の心地良さだとか、意思が入り込む余地はありません。
対して愛着不全の方と言うのは、親への儚い期待と怒りを持ち続けながら生きていますので、自分にとって手に負えない問題に直面した際に、自分にとって権威となる第三者に対して「どうしたらいいですか?」「私はどうするのがいいですか?」と決断を委ね続けてしまいます。反抗期を越えた後に身に着けているはずの「自分規範」が形成されていないためです。相手からの提案が自分にとって理解できる場合には従うし、理解できなければ、静かで激しい怒りを貯めます。ところが、反抗期を乗り越えられていないので、成人期としての怒りの処理の方法が分からず、場合によっては”クレーマー”呼ばわりされ、人が離れていってしまうことも・・・。結果、「自分は駄目な人間なんだ」、「私の何がいけなかったの?」、「私は人から好かれないんだ」と言う、生きづらさのブリーフを強化していくのです。
愛着障害の方へのアプローチの第一歩は、心身の感覚における自分の「心地よさ」を探っていくことです。
何を着たら安心を感じるか?
どのカップでお茶を飲んだら心地よさを感じるのか?
電車でどこの位置に座ったら、安全を感じるのか?
そんな小さなことから、「安心・安全」の種を増やしていきます。当然ながら、それを受け取るための、神経系の土台作りはマストです。「本当はどうしたいのか」までの道のりは、その先にあります。
愛着不全の方へのアプローチの第一歩は、自分の「本当はどうしたかった?」「本当はどうしたい?」に気づき、それがもし果たせなかった場合には、成人期として、怒りや不快感をどう言語化して相手に安全に伝えるのか?を積み重ねていくことです。
本来は、養育者との間で済ませておかなくてはならなかった二次反抗期を、やり直すのです。それも成人期の大人として。これは本当に辛く・難しいことです。カウンセリングに通ったけれど、ここで何度も失敗してしまっている方も少なくないと推察します。
これまでの人間関係が崩壊したその時、自分に何が起きていたのか?先ずはそこを理解してみると、相手のことも自分のことも、許せるのかも知れません。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
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