わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

選択は葛藤の隙間を縫って自分で選びとってきた



 今、自分が置かれている現状に満足している方、そうでない方、様々だと思います。
とは言え、「この部分は満足している」でも、「この部分には満足していない」・・みたいな方が、一番多いのかな?

 

 傾聴カウンセリングで、私が一番注意深く聴くのは、クライエント様の「葛藤の強さ」です。というのも、成人期に入っている方のカウンセリングで目指すゴールが、安心して葛藤できるようになることだからです。

 

 例えば、家で大好きなドラマの最終回を見ていたとしましょう。途中でトイレに行きたくなった場合、あなたはどうしますか?ドラマはクライマックスに差し掛かっています。1分でも見逃したら、伏線が追えなくなってしまうのです。でも一方で、お腹の状態も大ピンチ!です。

 

「ドラマを見たい」でも「トイレにも行きたい」

 

この2つのニーズがぶつかり合うこと、これが葛藤です。

 

 

でも、この時、一緒に見ている家族にトイレに行きたいことを打ち明けたとします。すると家族が「大丈夫、録画しておくから!」とか「この番組、オンデマンドで配信されるから!」という情報をもたらしてくれたら、どうでしょう?

 

「ドラマを見たい!」というニーズに緩みが生まれます。

 

「そうか、後から見られるかもしれない」

 

こんな緩みです。

 

ぴーんと張り詰めていたニーズの綱引きが緩んで、隙間ができますよね。

 

その隙間を縫って、あなたはトイレに行けるのです。そして、結果的にはどちらのニーズも完璧ではないけれど、手に入れられる。

 

この「完璧ではない」でも「望んでいた現実」を手に入れたことに、感謝を持てるかどうかが、つまるところその人の「幸せ」のバロメーターなんだと思います。

そういう「幸せ」を大切にできる人が、世の中にじわじわと増えたらいいなと、私はずっと思っているのです。

 

上の例えは極端ですが、傾聴カウンセリングで行うことも、これと全く一緒です。
意図的に、カウンセラーと一緒に、この「緩み」、葛藤の「隙間」を作っていくのです。

 

 

「悩み」の正体は強い「葛藤」です。

 

 

そして普段から私たちは、多かれ少なかれ誰もがこの葛藤の隙間を縫って生きています。そして、「生きにくい」と感じている方と言うのは、この葛藤の緩みがタイトな方が多いのですね。

 

 

ところで冒頭で、

 

成人期に入っている方のカウンセリングで目指すゴール

 

と書きましたが、通常のカウンセリングがあまり効果がない方もいます。

 

それが、「葛藤」の無い(あるいは弱い)方のお悩みです。
この「葛藤」の無い方は、先ずは「葛藤」を持てるようになることがスタートだったりもします。

 

これについてはまた別の機会に述べたいと思います。

 

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき

 

 

 

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