「何故、山に登るのか?そこに山があるからだ」的に、上に行けば行くほど、何か「良い」こと「素晴らしいこと」、「素敵な状態」、「ありがたい状況」のような気持ちがするのは人間の性だと思います。
お給料然り。階級制度然り。上位、上級、上等・・・うん、「上」ってつくものは、大概眩く、目標となりやすいのでは?
そう、だからこそ「自己肯定感をあげましょう!」と言われた時に、それが具体的にどうすることなのかもわからない内から、私たちの心の中には何かこう、「自己肯定感山への登山」的なイメージが浮かんでしまうのも、無理はないのです。
でもですね・・・・「自己肯定感山」って、標高何メートルなわけ?、どこにあるわけ?
そもそも、どこまで登ればOKなの?!
「自己肯定感を上げるってどういうこと?」
これ今度ね、「自己肯定感を上げましょう!」とか「あなたは自己肯定感が低いですね」って言ってくるお友達や、セラピストさんに訊いてみてください。
で、その答えがですね、「自分を好きになるってことだよ」とか、「自分を愛することだよ」とか、「自分に自信をもつことだよ」って感じだったら、恐らくその方はまだ、自分自身でも無意識に「自己肯定感山」の登山の真っ最中の方なのだと思います。
私は言いたい・・・
もうその登山、やめていいよって。
わたしも相当この登山から降りられなくて(否、降りたくなくて)、最後は酸欠になった口なのですけど^^;、
自己肯定感を上げるって、
自分自身との関係性が良くなること
に尽きるのです。自分以外の誰かとの関係性ではないですよ?
「自分自身との」ってところが大事です。
これは逆に言えば、「自己肯定感が下がる」というのは、
自分自身との関係性が悪くなること
です。
特別トラウマを負っていないヘルシーな方であっても、私たちの中には複数の副人格(パーツ)が存在することは、IFS(内的家族システム療法)の記事の中等で、これまでにも何度か書いてきました。
生き難さを感じる場面では、必ずと言って良いほど、極端な思考行動パターンを持つパーツ同士が拮抗して葛藤するために、物事が上手く進まなかったりします。ですが、ヘルシーな愛着や、安心安全の協働調整の土台を持っている方は、この極端な副人格の声の葛藤を自分の中で扱うことに長けています。周囲のサポートを受けたり、自分の内側で両者の声を統合し、昇華しながら進めるので、結果、物事が順調に進んでいるように見えるのです。これを「自分自身との関係性が良い」状態と呼び、とどのつまりは、「自己肯定感が高い」と世間では言います。
では、「自己肯定感が低い」とはどういう状態かと言うと、この極端な副人格同士の葛藤を上手く扱えていないから、自分自身との関係性が良好ではない・・と言うことになります。
「自己肯定感」の問題を、垂直のイメージでとらえている方は、先ずはそのイメージを手放しましょう。そして、同じテーブルの上に、すべての自分自身を招き入れてみましょう。ヘルシーな自己愛はそこから始まります。
2回目以降の傾聴カウンセリングでは、副人格との関係性の築き方も含めた方法もお伝えして、一緒に行っています。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
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(60分 3,300円)
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
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