早朝に水たまりをよくよく見るとうっすら氷が張っていることがあります。これを歳時記では「薄氷(うすらい)」と呼び、春の季語として俳句に詠みます。
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上の記事の中で、
好きでも嫌いでもない”グレーな関り”の方が、この世の中には多いし、そっちの方がむしろ当たり前なのだと諦観できると、日常的な緊張が取れて、生きることがだいぶ楽になっていきます。
と書きました。
愛着の傷をお持ちの方は、この
"好きでも嫌いでもない”グレーな関り”
を苦手とする人が多いように思います。理由は簡単で、相手が敵か味方か分からないグレーな関係では、自分自身の安心、安全を感じられないからです。常に食うか、食われるかの臨戦態勢でいないといけない。自律神経系が揺さぶられて、圧倒されてしまう。故に、その関係に留まれなくて、関係を切ってしまうか、もしくは、相手に過剰に服従し、飼い馴らされることで、関わっている間の安心を得ようとしてしまうのです。
皮肉にも、世の中のヘルシーな関係は、グレーな関係の場合の方が多い。そのため、繋がっていても安心な人間関係ほど、自ら切ってしまう可能性が高いのですね。そして、利用されたり、搾取されたりする相手ほど、容易に身近に寄せてしまったりする。で、さらに傷つく。自分を変えなきゃと焦る。その地獄のような永遠なる繰り返し。
では、グレーな関係に安心して身を置くにはどうしたらいいのでしょうか?
恐らく愛着の傷を持つ方と言うのは、「見捨てられ不安」がベースにありますから、相手が無意識に自分に発する、
”関わる意欲の喪失”や
”関わろうとしなくなる気配”にものすごく敏感です。
「あ、自分から去って行こうとしている」
「あ、自分をないがしろにしたな」
「あ、自分を大切にしなくなっている」
そんなSOS信号が自律神経から発信されやすいんですね。だって、それは、自分にとっての生命の危機だから。身の危険が及ぶ前に、自分をどうにかして守らないといけない。これは身体に宿っている当然の知恵・権利・働きで、あなたが悪いわけでは決してありません。
でも、こんな状態になっているんだと自覚さえできれば、改善へと一歩踏み出せたも同然です!
もし、
「あ、自分から去って行こうとしている」
「あ、自分をないがしろにしたな」
「あ、自分を大切にしなくなっている」
という信号が立ち上がってきたとしても、
「グレーでいい!」
とだけ思ってみてください。
人間関係って不思議なもので、その時理由があって距離が出来てしまったとしても、グレーな関係であれば、再び白にも黒にもなるものです。もちろん、そのままグレーである場合もありますが。
「グレーでいい!」
を続けていると、危険を知らせる自律神経の信号が、少しずつマイルドになっていきます。なぜなら、極端に働く必要性が少なくなるから。そうすると、何となく、ほんわりと、人の輪の中にいられる自分へと変わっていき、その中から、ヘルシーな境界線を持った人間関係が、ゆっくりと育っていきます。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
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写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
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