わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

他人との境界線ちゃんと引けていますか?

Sonyα7Ⅲwith carlzeiss batis 40mm f2 CF

 

 あなたは人間関係において、他人との境界線がちゃんと引けていますか?

 

 

 私が愛着の問題を解決したいと願い、SE™(ソマティック・エクスペリエンシング)のカウンセラーさんの元を訪ねた際に、真っ先に言われたのが、

 

「先ずはバウンダリー(境界線)の問題から、一緒に取り組んでいきましょう」

 

でした。

 

 

 ところで、あなたは「境界線」って何だと思いますか?わたしは、最初、正直よく分かりませんでした。だって、人間関係の「境界線」って、ホテルやマンションの壁と違って、目に見えないじゃないですか。^^;ここから先は自分で、ここから先はあなた・・みたいに、空気中に線引きがされていて、愛着の問題を抱えていない人にだけは見えているのかなあ?なんて、首を傾げたものです。わたしと同じように、思っている方もいるのではないかと思い、今日は「境界線」について記事にしようと思います。

 

 

 先ず、この場合の「境界線」ですが、そもそも、物理的な壁や線のことではありません。ましてや、愛着がヘルシーな方にだけ見えている空気中の線でもありません。簡単に言うと、「自分とあなたは別の人間」とか、「わたしはわたし、あなたはあなた」の感覚・・とでも言いましょうか。

 

 

 ますます混乱してきた方もいると思うので、反対に何故、愛着の問題を抱えている方が、なぜ他人との境界線が引けていないのか?を説明したいと思います。

 

 

 愛着の問題は、ブログでも何度も書いてきましたが、幼少期に養育者から、どのように扱われて来たのかに起因します。一貫性のない、不安定なケアを受け、ありのままの自己を愛情をもって受容されず、親子の役割が逆転し、絶えず両親の感情のご機嫌を取らされてきた子どもたちと言うのは、常に、養育者がいまどう感じていて、次にどのような行動を取るのかに神経を注いでいます。それをしていないと、自分が危険にさらされてしまうからです。何とか生きながらえたという経験は、神経系には「成功体験」として刻まれます。そのため、自分の感情や欲求より、他人のそれを優先させた方が人生は上手く行くと学習され、以降の人間関係でも、そこで身に着けた生き方がデフォルトとなってしまうのです。

 

 彼らは、他人の行動を見張ることで疲弊し、自分がいま、どう感じているのか、どうしたいのかを望むことすらできなくなっていきます。むしろ、相手が今、何を考えているのか?感じているのか?と常に一体でありたいとさえ思っているでしょう。が、しかしそれは、そうしていさえすれば、自分は「安心・安全」で「愛されるはずだ」という手続き学習にもなっていきます。その行動をやめようにも簡単に止めることができないのです。だって、「やめる=危険」と自律神経系には刷り込まれていますから。

 

 

 さて、ここで一番問題なのは、先ほど述べた常に一体でありたいという感覚です。相手の気持ちや行動を、自分の偽りの「安心・安全」のために見張り続けた愛着にトラウマを持った人は、いつしか、感じている感情が自分のものなのか?他人のものなのか?の区別がつかなくなってしまうのです。その感覚は、次のような公式となって人生に横たわります。

 

「いま、私がこう感じているということは、相手もこう感じているに違いない」

 

 

 愛着の問題に苦しむ人は、時々こんな風に話します。

 

「わたし、相手の気持ちが読めるんです!」

 

と。それもかなりの自信と確信を持ってそう言います。

 

 

 わたし自身がそうだったので、断言できるのですが(苦笑)、読めてません!!^^;100%、あなたは他人の気持ちなど、読めてはいませんので!!!安心してください!

 

 

 ちなみにいま、「安心してください」と聴いた時、あなたはどう感じましたか?わたしが最初にそう言われた時、不安しかありませんでした。だって、読めていたと思っていた相手の気持ちや感情を、実は何も分からないんだとしたら、自分はどうやって自分のことを守ってあげればいいの?!そう思ったからです。

 

 でも、「境界線」という感覚が出来てきた今、思うのは、

 

「相手の気持ちが読めない、分からないって、なんて安心なんだろう。」

 

ということなんです。

 

相手と自分が違うって、通常は不安や恐怖じゃなくて、実は、「安心」なんです。

 

 

 この感覚が育っていくには、正しいセラピーと、時間が必要なので、一概に「こうして、ああして、こうすればOK!」という風にお伝えできないのが辛いです。

 

 ただ、「境界線」という言葉の受け取り方で、迷子になっている方がいるとしたら、進んでいる方向が、それこそ感覚的に間違ってるのかも知れない?!と気づけるだけでも、大きな一歩となると思います。

 

 

☆きょうも最後までお読みくださり
ありがとうございました^^

 

 

写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき

 

 

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