わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

「感情とは、身体の状態のことなんですよ」と言われても、まるで腑に落ちなかった件

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 この間、近所の公園を散歩していたら、地面にどこかで見たことのある造形が・・!たぶん・・・、いや、きっと、アンパンマン?ですよね?^^

ところでアンパンマンって、自分の身体をちぎってお腹を空かせた人にあげたりしていましたけど、その瞬間って痛みはないのでしょうか?

なーんてつい下世話なことを思ってしまったのですが、この「その瞬間って痛みはないのでしょうか?」という問いを、わたしはかつての自分にこそ、投げかけたいと切実に思うのでした。

 

 複雑性トラウマや愛着問題に特化した心理療法について学び始めた頃、どのテキストを見ても、かなりの確率でお目にかかったのが、本日のタイトルでもある、

 

「感情とは、身体の状態である」

 

というフレーズでした。今でこそ、「そうだよね~!ほんとその通り!」と思うのですが、少し前までのわたしは、それを見たり聞いたりしても、「は?!どゆこと?!感情って、心とか脳でキャッチして、言語化するものなんじゃないの?!」と思っていました。「身体の状態」と「感情」とが、どう転んでもイコールで結びつかなかったのです・・・。

 

 

 今となってはそれが、幼少時からの度重なるストレスによる、慢性的な緊張状態で自律神経が「凍り付き・シャットダウン」している解離状態に由来しているのだと理解できるのですが、当時のわたしは、「身体の状態が分かるというのは、きっと”特別な人”にしかない”特殊能力”なのだろうな」と信じ込んでいました。そう思ってしまったのは、わたしが自分の生きずらさから、”身体の状態”と向き合うことになった入り口が、とある大手組織のスピリチュアル系のヒーリングセミナーだったことにも関係しています。エネルギーワークをしている間、自分以外の人たちから発せられる言葉が(改めて振り返ってみると)異次元でした!(笑)

 

「◎◎チャクラに◎◎色の光が入ってきて、ぽかぽかと温かいです」

 

「足の裏のチャクラが回転し始めました」

 

「眉間の第三の目に青紫色の光がふわふわと揺れ動いていて気持ちがいいです」

 

みたいな。^^;

わたしの場合は、愛着問題に起因する解離状態で体感覚が脆弱になっていたと考えられるのですが、わたしはその時、「自分の精神性が乏しいから、身体の感覚が薄いんだ!」と考えてしまったのです。^^;で、そこからはだいぶ長い間、スピリチュアル系のセミナーを転々としました。その間、わたしが執拗に追い求めたのは、身体の感覚を取り戻すことではなく、なぜか”不思議な光”、”天使の姿”の目撃であり、”宇宙の存在”と話すことにすり替わっていました。ま、その話は今はおいておくとして・・・(苦笑)。

 

 

 この「解離状態」がある人は、身体感覚がなかなか感じられません。わたしもそうでしたが、「なんか理由は分からないけど、モヤモヤする・・」とか「足元が居心地悪いな」といった感覚を弱いながらも感じていたことは感じていたのです。でも、せいぜいそこどまり・・。

 

一方で、これが自律神経系がヘルシーな普通の人の場合にはどうかと言うと、身体が感じたモヤモヤを「この人、私を利用しようとしてる!気を付けよう!」とか、「このコミュニテイは自分にとってはキケン」とか、「この場所では、本音を話すのはやめとこう!」と脳で正しく変換され、結果、ヤバいと思った場や人からちゃんと自分を回避させ、自分で自分をしっかりと守ることができるのです。

 

 

これは、前回書いた記事(下記↓)とも関係があるのですが、愛着障害や複雑性トラウマを負った人が、それを望まないにも関わらず、同じような「パワーバランス(支配と被支配)」の人間関係を構築・引き寄せやすい理由でもあります。

 

 

 

hanahiroinoniwa.hatenablog.com

 

 

「感情とは身体の状態のことです」

 

と聞いた時に、私のように「は?!」となった方は、先ずは、自分の「快・不快」がしっかり感じられているかを確認してみてくださいね。その上で、もしあまり感じられないというときは、「頭」で気持ちよさを味わえてしまうワークを少しお休みしてみてください。わたしは「瞑想」がそうでした。また、ボデイワークを依頼する場合も、なるべく”フィジカル”に特化したセラピストさんを選ぶことをお薦めします。ボデイタッチのないヒーリング系のセラピーは「解離状態」が日常になっている方にとっては、心地よくて大好物なのは、百も承知です(わたしが長年そうでしたからね^^;)。でも、「身体の感覚」をしっかり感じられるようになってからでも、いくらでも楽しめますから!そう、むしろ、それからの方がずっとセッションで得られるものが多いですからね。^^

 

 そして、エネルギーワークをされるセラピストさんがもしここをお読みになっていたとしたら、クライアントさんに「愛着障害」や「解離性のトラウマ」がないかどうかをしっかり見立てることをおすすめします。どこかふわっとしている様子で、身体感覚の感想が乏しい一方で、「光が見えて~」とか「頭上に天使が観えました~」なんて、昔の私のような感想ばかりの方に対しては、ちょ~っとだけ「解離」を疑っても良いかも知れません。「波動が高い方なんですね!」なんて言葉を返していると、本来あるべきその方の回復を阻んでしまう可能性もあるやもしれません(経験者は語るです)。^^;

 

 

 アンパンマンだって、身体をちぎりながら、「いたたた・・・」って思っているに違いない。(番組を観ている良い子には悪いけれど)そうであって欲しいなと今のわたしは願うばかりです。^^;

 

 

きょうも、最後までお読みくださり
ありがとうございました^^
さとうみゆき

 

 

写真を眺めてほっと一息^^  

 

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