わたし歩記-あるき-

*心理士を目指す写真家の学びの記録*

犯罪心理学のレポートを書くにあたり読んだ本

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 今年度履修をした犯罪心理学では、精神疾患における観点や、性犯罪被害における被害者のPTSD、二次的外傷、そこから生じるグリーフ(悲嘆)についてなど様々な視点で世の中では「犯罪」と”ひとくくり”にされてしまっているものと向き合うこととなりました。

 

 

 わたしは最終課題で性被害についてのレポートを書いたのですが、その際に参考図書として読んだのがこちら。姫野カオルコさんの『彼女は頭が悪いから』です。

 

 

 

 

 

 この小説は、2016年5月に豊島区で起きた東大生と、同院生5名による女子大生への強制わいせつ罪および暴行罪を著者である姫野カオルコ氏が取材し、出版されたものです。

 

 

事件そのものに関して概要を知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。

 

 

wezz-y.com

 

 

 小説を読んでみての感想ですが、やはり女性としては被害者側に立って読んでしまったために、直後は経歴だけを振りかざして好き勝手女性を食い物にした「東大生」という「凶器」に怒り心頭に発するばかりでした。

 

 

 また、事件直後に様々なSNSやインターネット掲示板に書き込まれた、「深夜にお酒を飲んで男の家に行くなんて、女に下心があったに違いない」だとか、「東大生が馬鹿な女に利用されただけ」的な書き込みをする、暴走する集団心理にたまらない嫌悪感が湧きました。

 

 もはや、ここまで来ると、わいせつ罪云々を超えて、短絡的な「東大憎悪」のような感じ。世の中から東大などいっそなくなってしまえ!というところまでわたしの感情は揺さぶられておりました。

 

 

 が、最後の行を読み終え、ページを閉じた瞬間、この「東大などいっそなくなってしまえ!」というわたしの中に生じた感情こそが、こうした事件の裏にある、本当の加害者ではないか?という一寸の正念がわたしの胸に湧き上がったのでした。

 

 

 この「正念」の正体とはなんだろう?

 

 

そう思い、過去のこの事件に関する記事をネットで探していたところ、著者である姫野カオルコ氏が件の東大でのディスカッションに招かれて対談したという記事を見つけました。

 

↓   ↓   ↓

 

 

bunshun.jp

 

 

 わたしがハッとしたのは、この部分。聴衆のひとりの男性が語った言葉でした。

 

「加害者や被害者バッシングをした人たちの感情が、自分にもある。強い側に立った時に感じる快楽のようなものとの距離の取り方が、自分の中でテーマとして重くのしかかってきた」

 

 

特に、

 

強い側に立った時に感じる快楽なようなものとの距離の取り方が、自分の中でテーマとして重くのしかかってきた」

 

 

ここ。これ!
わたしに過った一寸の「正念」はこの部分への警告を発していたのではないかと思ったのです。

 

 

事件そのものを客観的に見た時、どうみても悪いのは「東大生」5人です。けれど、そのことで、感情的に責めたり、「東大なんてなくなってしまえ!」と高らかに宣言できる正義に心酔する特権なんてものは、わたしにはない。この「距離感」を忘れて、グリーフ等のカウンセリングに当たるのは、実に危険なことではないか?と感じたのです。

 

 小説の終盤に出てくる、被害女性の通う大学の教授が居るのですが、傷ついたものをしっかりと守りながら、自分はしっかりと境界線を引いて悲しみと向き合う在り方。おそらくここは、姫野さんの創作だと思いますが、姫野さんはきっとこのワンシーンを描くために、精緻な取材をされたのだろうと思い、その筆力には脱帽でした。

 

 

 

 グリーフと言えば、昨日、上智大学グリーフ研究所の入江杏さんと、占星術家のかとうふみえさんによる「グリーフケアと占星術」の講座を受けました。先月からの継続講座なのですが、受け取るものが多すぎて、前回のルポもできていない状態です^^;
そろそろまとまってきそうなので、言語化したいと思っています。

 

 

 

きょうも、最後までお読みくださり
ありがとうございました^^
さとうみゆき