わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

金沢へ行ってきました

 

 この3連休、実は人生初の金沢へ行ってきました。行くことは昨年から決まっていたのですが、1日の震災のこともあり、正直、取りやめることも考えました。

 

 でも、行くことに決めたのは、北陸新幹線が復旧したことと、金沢市内に住む友人から、金沢の中心地は電気や水道と言ったライフラインも復旧し、ほぼ日常生活が戻りつつあることを聞いていたためでした。そして被災した友人とも、ちゃんと会って話がしたかったのです。

 

 更に、これが一番の決めてとなったのですが、東日本大震災の時のわたし自身の経験を思い出したからでした。

 

 3.11の当時、私は地元の友人が経営するお店を手伝いながら働いていました。都心からだいぶ離れた郊外のこの辺りは地震の震度は5弱。物は落ちたりしましたが、日常生活に支障があるほどの大きな被害は免れていました。

 

オーナーである友人は、「お店を閉めてしまったら、地域に暮らす人たちは余計に不安になるから、いつも通りに店を開けることにしよう!」と言って、計画停電で十分な電気が来ない中、薄暗い店舗の中で、店を開け続けました。

当たり前ですが、原発だー、余震だーと、不安と心配だらけの日々の中、買い物客など来るはずもありません。

ですが、時々お店に入って来てくれるお客様からは、「なんだかいつも通りお店が開いてるだけでほっとする、ありがとう・・」と声をかけてもらえたりしました。

 

 いつもそこにあるお店がいつも通りに開いていること

 

あの頃、気持ちを奮い立たせて、あたりまえの日常を支え続けたことを思い出しました。だとしたら、被害が少なかった金沢の中心地のお店の方たちも、きっとお客さんが来なくても営業を再開しているのではないか?ふと、そう思いました。

 

 

いま、たまたま金沢行きの切符があるのなら、それを無駄にしたくない。行くという選択肢を選びたい・・・・。それで、誰かの日常をほんの少しだけ支えるお手伝いができるのなら・・・。

 

 

 行きの新幹線は富山を過ぎるとほぼ空席となりました。恐らく、普段の3連休では考えられない光景でしょう。チェックインしたホテルもフロントロビーは閑散としています。時々、マスコミの中継車や赤十字社の車、他県から応援に来ている支援の方の行き来があるくらいでした。

 

 

 

 金沢に滞在中の飲食は、出来る限りチェーン店ではなく、地元の個人店にお世話になろうと決めていました。初日の夜に入った小料理屋さんは、案の定がら空きでした。東京から来ました・・・と告げると、「こんな時なのに、本当にありがとうございます」と涙ぐまれていました。「金沢は被害も少なかったので、お店を開けているんですが、お客さんが本当に来ないんです・・・。いつまでこうなんだろうと不安になります。」と仰っていました。

 

 3.11の時にも感じたことですが、「被災」といっても本当に様々なカタチがあるなと思います。

 

石川県立図書館

 

 翌日は、市内をめぐってみました。入館できない施設も多いので、入れるところを中心に。

 

 

 

 

 普段は観光客でごった返しているというひがし茶屋街も、この有様です。私は普段を知らないので何とも言えないのですが、金沢の友人は、「こんな状況はコロナの時以来」と話していました。

 

 いつもは相当並ばないとお店の中に入れないそうですが、どこにでも入り放題。なるべく目抜き通りから外れた店舗を選んでひと時過ごさせていただきました。

 

 お店のオーナーらしき女性は、

 

「1月3日からお店を開けたのですけど、本当にお客様が来ないんです。バイトさんも呼ばずに今は一人でやってますが・・。いつまでこの状態なのか・・。こんな時に来ていただけて、本当にありがたいです!」

 

と、頭を深々下げておられました。

 

 

こうしたやり取りを、滞在中は何度も、何度も繰り返し、「頑張ってください!」と告げると、何故か皆同様に「私たちなんてぜんぜんいいんです。能登の方を想うと本当に何もできないのが申し訳なくて・・」と、泣きそうな表情をされるのです。

金沢城の石垣が崩れていました

 

他県にいる私たちでさえ日々心が痛いのに、同じ県内で想像を絶する苦労をされている方がいることはどれだけお辛いことでしょうか。

 

 

とは言え、観光収入で生計を立てておられる観光地区の方にとっては、お客様が来ないことも死活問題です。これは3.11でわたし自身も経験していることなので、よく分かります。

 

 

 無事に東京に帰宅した今、改めて、迷いましたが、今回金沢へ行って良かったと思っています。

 

今は、まだまだ命と向き合える術を持つ、専門家チームによるサポートが必要なフェーズです。

 

現地で、毎日命懸けで働いている方たちを身近にしてみて、それはつくづく感じました。今は、ほとんどの方が何も出来なくて、むしろ当たり前です。

 

 

でも、だからといって、

「私ごときが何をしても無駄だから」と思う必要は全然ないと思う。 

 

 

日々を穏やかに暮らすことも、今立派に出来ることだし、そうやって貯めたエネルギーを大きな力として循環させるときは、必ず来るはずです。

 

 

私も現状を踏まえて、ここから更に、自分には何が出来るのか?何が出来ないのか?何をして、何をしなくていいのか?

 

そこを考えて行動していこうと思っています。

 

 

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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さとうみゆき

 

 

 

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