春になるとカウンセリングのご依頼が増えます。それは、日本という国が奏でている春と言う季節のバイオリズムが、人の心に「愁い」を生みやすいからだと思っています。
例えば新学期、就職、異動。最近では多様化しつつありますが、これらのライフイベントが、ほぼほぼ春に集中します。
何か新しい環境に意気揚々と飛び込む人を見ては、「自分はできない」と焦ったり、進学できた、就職できた人を見ては、「自分は希望が叶わなかった」と落ち込んだり。他人との比較が視覚化し易い分、悩みも顕在化しがちなのだと思います。
「希望の大学に入れなかった」
「希望の就職先に就職できなかった」
これらは事実であって、変えることはできません。
でも、悩みの渦中にある時は、事実とそこから生じている悩みの区別をつけるのは、なかなかに難しいものです。
その時の脳内はこんな感じです。
「希望の大学に入れなかった」=悩み
「希望の就職先に就職できなかった」=悩み
でも、心の中で起きている現状は、
「希望の大学に入れなかった」VS「本当はその大学へ入りたかったのに」
「希望の就職先に就職できなかった」VS「本当はその会社に就職したかったのに」
という葛藤です。
だから、カウンセリングをしても、そもそもその人が「悩み」だと信じてる事柄は消えません。目指すのは、葛藤の軽減です。
「希望の大学に入れなかった」VS「本当はその大学へ入りたかったのに」
からの、
「入学する大学でも、自分の学びたかった〇〇を学べる環境を見つけられそうだ」
という方向に心を向けていく力を自分の中に見出すことだったり、
「希望の就職先に就職できなかった」VS「本当はその会社に就職したかったのに」
からの、
「就職した会社で〇〇の力をつけて、ゆくゆくは転職に生かそう!」
という方向に心を向けていく力を養うことだったりします。
だから悩みを先ずは「葛藤」として認識するってとても大事なのです。
そして「葛藤」は、心理発達がちゃんと成人期に達している方でないと成立しません。「葛藤」できるって、当たり前のことに見えて、実はすごいことなのです!
傾聴をすることで、クライエント様には、大いに葛藤していただきたいし、また、そんな自分のことも、褒めてあげて欲しいなといつも思っています。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
傾聴・カウンセリングお申込みフォーム
(60分 3000円)
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
写真を眺めてほっと一息^^
写真家 さとうみゆき公式HP