このところ、偶然なのか?たまたまなのか?
クライエントさんの主訴に「サイコパス」の存在がちらつく案件が続いており、なんとも歯がゆいというか、何か根本的な回避方法とかってないんだろうか?と思い悩む場面が多くあります。
そもそも「サイコパス=反社会性パーソナリテイ障碍」の成り立ちに関してはまだまだ謎が多く、遺伝的なものであるという説や、成育歴によるものとする説もあり、私のような民間のカウンセラーは、当事者に臨床現場で対峙することは、ほぼほぼありません。
とは言え、凶悪犯罪に巻き込まれるほどの被害でなくとも、その性質(スペクトラム)を備えた方から日常的な場面で被害にあって苦しんでいると言う方は多々いらっしゃるわけで、その訴えには、ある特徴があります。
そう、何故かどのクライエントも、
「私が全部悪いと思うのですが・・・」
と、100%自分に非があると信じ切った枕詞で話し始めるんです。
これがねえ・・これこそが、サイコパス被害の最も恐ろしい後遺症だと思うのですが、サイコパスの被害にあった方というのは、自己信頼とか人間への基本的信頼感を、ズタボロにされてしまってるんですよね。カウンセリングにたどり着けた方は、奇跡であって、心の中に残っている数パーセントの「でも、やっぱり自分は悪くなかったんではないか?」という風前の灯火の自己愛を握りしめて、カウンセリングに現れるわけです。
ここからが、長い、長い、自己回復の旅が始まるのですが、自分では「白」だと思っていたものを、ずっと「黒」だと信じこまされてきた人が、再び「白」を「白」だと思えるようになるのは、本当に大変です。
出来れば、もう二度と同じような目に合わないよう、サイコパスの明確な見抜き方があれば、お伝えしたいものですが、あるにはあっても、これがね、本当に難しいんです。
何故なら、サイコパスって、一見すると最初は皆「魅力的な人」だからです。
見た目にも悪そう~な人なら、きっと最初から近づいたりしません。でも、違うんです。むしろ逆。「すご~くいい人」だったり、「素敵だな~!」って思う人が多い。
なので、私は、「普段よりも急に好きだと思えたり、今まで会った人の中で一番素敵な人だ!尊敬する!」なんて思った時には、ほんの少しだけ立ち止まって考えてみて。って伝えたりしますが、相手が素敵なんですから、土台無理な話なのです。気づいたら、術中にはまって、身も心もボロボロにされて・・・って感じ。
ある調査によれば、日本の人口の1%がサイコパスと言われていますから、100人にひとり。大きな組織やグループなら、どこかで必ず出逢ってしまうんですよね。そして、彼らはとても鼻が利きますので、必ず自分にとって都合の良い獲物を見つけます。
よくサイコパスって善悪の判断がないとか、良心がないとか、共感力が欠如しているとか言いますが、どうして人を魅了することができるの?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
答えは簡単です。
彼らは感情への共感力はないのですが、人間がどうすれば自分を好きになるのか?どうすれば苦しむのか?どうすれば喜ぶのか?ということを、感情ではなく「理論やシステム(仕組み)」として熟知しており、それを完璧に利用・遂行できるのです。
大企業のトップや宗教家(スピリチュアル業界)のトップに隠れサイコパスが多いと言われるのはそのためです。
「痛みを抱えている人の痛み」そのものは分からないけど、何故、その痛みが発生しているのかの仕組みはわかる・・という感じでしょうか?
「喜び」と言う感情の尊さは分からないけれど、どうすれば人を「喜ばせる」ことができるのかは理論的に分かるとも言います。
そのサイコパスにとっての常識が、一般の人には到底分からない。だから「この人、分かってくれてる!今まで会った誰よりも深く理解してもらえてる!」って舞い上がって、ズボズボその人にハマっていってしまうのです。
尊敬しているあの人に嫌われちゃった
世界で一番素敵なあの人に迷惑かけちゃった
どうして私はあの人から無視されてしまうんでしょうか?
全部私が悪いのですが・・
という流れからのカウンセリング。
ここをひっくり返していくことは本当に本当に難しいのですが、ただひとつ言えるのは、「白いものを白だと言える世界」への命綱を信じた、あなた自身の自己愛を信じてねということでしょうか。
サイコパスの問題は根が深い問題なので、私自身の経験も合わせて、今度また書きたいと思っています。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
傾聴・カウンセリングお申込みフォーム
(60分 3000円)
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
写真を眺めてほっと一息^^
写真家 さとうみゆき公式HP