1日を通して身体の芯まで凍り付くような寒さでしたね。いつもの散歩道にはまるでクリスタルのような氷柱の欠片が落ちていました。
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ところで今朝、facebookアプリをスマホから削除したという記事を書きました。そのまま1日過ごしてみてどうだったか・・と言うと、自分でもびっくりするくらい、いかに頻繁に、普段からfacebookにアクセスしようとしていたのかを思い知る結果となりました!(苦笑)
試しに数えてみたのですが、午前9時から夕方19時までの間に合計8回(これ、多いの?少ないの?)。別段、何をしようという意図もなくです。もちろんスマホの画面上にfacebookアイコンはないので、その都度”空振り”ということになるのですが、さすがに8回目の時には、「いい加減、気づこうね、わたし!」と自分に虚しいツッコミを入れましたね。^^;
さて、わたしがアプリを削除するきっかけとなった出来事については、前回述べた通りなのですが、それとは別にもうひとつ、”来年は、写真家としての自分の世界観・創造力を、これまで通りの既成の枠を壊してアップグレードしたい”という動機がありました。そのためには、出来るだけ脳や自律神経系へのストレスを減らし、ひらめきや発想が起きやすくなるよう精神状態を調えたい。それら2つが重なったのがたまたま今だったというタイミングでした。
『退屈すれば、脳はひらめく』というタイトルを見た時、わたしの頭の中にはすぐに、心理学で学んだあるワードが浮かびました。それは”デフォルトモード・ネットワーク”というものです。
著書では、”デフォルトモード・ネットワーク”は、別名「マインドワンダリング(心が彷徨っている)」だとか「白昼夢」の状態などと呼ばれています。さほど集中力を要しない退屈な単純作業をしている時や、一見何もしていないかのように見える物思いにふけっている時間など、”デフォルトモード・ネットワーク”に入りやすいと言われています。この時、脳の中では、問題解決のアイデアや創造が湧いてきたり、自分が住んでいる世界や人生の意味を一瞬で理解したり、相手の気持ちを汲み取る共感力が強まったりします。未来学者のリタ・キングは「創造のための退屈」と名付けたのだとか。
ところがスマートフォン等のテクノロジーの登場により、いつでもどこでも情報や人につながれるようになった現代人の日常では、”デフォルトモード・ネットワーク”に浸れる時間はどんどん減りつつあると言います。なぜなら、SNSやアプリは、心理学や認知行動学を徹底的に学びつくした開発者たちが、どうすればユーザーの時間と関心を最大限に”奪えるのか”を日々しのぎを削って編み出しているものだからです。この本の著者は”退屈すれば脳はひらめく”という一大プロジェクトを通して、現代人の(他者への)共感力低下の原因や脳の変化について探っていきます。これが本当に面白いのです!
ほんの一部ですがご紹介しますと、2014年に発表された「iPhoneの影響ースマホが存在する状況での対面による社会的交流ー」という研究で、ヴァージニア工科大学の研究者たちは、スマホがその空間にあるだけでふたりの知人の間に共感が生まれにくくなると報告しました(実験は100組のペアが10分間の会話をするというもの。)。たとえ、それがひっそりとキッチンカウンターに置かれているだけでもというから驚きです!
反対に、スマホが目に入らないところで会話をしたペアは、相手にずっと強く共感を示しており、スマホありの親しい間柄のペアと、スマホなしの親しくない間柄のペアとを比べても、スマホなしの親しくないペアの方が、共感の度合いは強かったといいます。これは年齢、性別、人種、民族に関わらず同じ結果だそうです。
わたしは普段から、人と会っている最中には、なるべくスマホを触らないようにしていましたが、ただ視界に入っているだけでも互いの共感度に影響があると知り、今後はより気を付けたいと思いました。(ましてや、そこがカウンセリングの場だとしたら?!)
他にもまだまだ興味深い文章がたくさん載っているのですが、ご興味を持った方はぜひこの本を読んでみてください。この本の良いところは、テクノロジーが悪だとは言っていないことです。あくまでも、”付き合い方”を磨いていくことの大切さを説いています。かく言うわたし自身も、テクノロジーはどちらかと言えば好きな方です。人間に与えられた”創造力”を枯渇させぬよう、ツールとしてのスマホを楽しんでいきたいものです。
きょうも、最後までお読みくださり
ありがとうございました^^
さとうみゆき
写真を眺めてほっと一息^^