わたし歩記-あるき-

*心理士を目指す写真家の学びの記録*

「分かってもらえなかった」の後遺症②

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hanahiroinoniwa.hatenablog.com

 

 前回の記事「分かってもらえなかったの後遺症①」の続き、

 

「分かってもらえなかった」の後遺症を持っている人が、
人間関係でどんな罠にハマりやすいのか

 

 

について書きたいと思います。

 

 

 幼少期において身近な養育者から適切な共感や安心感を与えられていない「分かってもらえなかった」傷の後遺症を持っている人は、それらを持ちながら育だった人に比べて、よりいっそう「自分を理解してくれる人」を切迫して求めるようになるか、もしくは、そのような親密な関係を徹底的に否定して生きるようになっていきます。見捨てられ不安から「これぞ!」と思った人に執拗に依存していくタイプと、わざと人間関係をドライにして世捨て人のようになっていくタイプや、両方の症状が交互に乱れて表出するタイプ等があります。これが俗に「愛着スタイル」と呼ばれているものです。ここでは詳細を割愛しますので、ご興味のある方は「愛着障害」について書かれた本がたくさん出版されていますので、そちらを読んでみてください。

 

 

 「分かってもらえなかった」の後遺症を持っている人が、人間関係で巻き込まれてしまう罠・・・それは、「この人、分かってくれてる!」と思える人にある日出逢ったことからはじまります。

 

 

 前回の記事にも書いた通り、「分かってもらえなかったの後遺症」を持っていない普通の人は、自分を理解してもらうことに、それほど切迫感を感じていません。なので、普通の人同士の場面では、初対面でも、”自己開示”をまったく焦りません。人とのつながり方も、表面的な会話だけでほのぼのと満足出来てしまうのです。

 

 一方、後遺症(トラウマ)を持った人は、初対面からかなり”ヘビーな話”をしたがります。ここで普通の人は、「おっと、困った・・・^^;」となって、後ろに退いてしまうので、それ以上、距離が縮まらず、トラウマを持った人は、「見捨てられた」とか「寂しい」と感じ、「落ち込み」、「またいつものパターンだ」と自分の内側に閉じこもってしまいます。ところが・・初対面にも関わらず、あるいは、まだ会ったこともないにも関わらず、あなたのその”ヘビーな話”をまるで手に取るように隅々まで分かってくれているかのように感じる人との出逢いに遭遇することがあるのです。(ポイントは”分かってくれているかのように”です。)あなたはその人のことを、「救世主」や「世界でただひとりの理解者」のように感じることでしょう。だって、どんなに探し求めてもそんな人はそれまで一度も出会えなかったのですから・・・。あなたは翌日も、またその翌日も、その人と逢いたい、話したい、この人と逢っていればわたしはこの世界でようやく安心して生きられると思うくらいにその人を渇望するようになっていきます。それはまるで、赤ちゃんが初めてお母さんのおっぱいにたどり着いた様子に似ています。

 

 

 ですが、この出逢いこそが、実は、「分かってもらえなかった」のトラウマを更に強化するとは、あなたはよもや思わないでしょう。運よく、その人が根っからの親切な、ごく普通の常識人であった場合、早い段階で、お別れが来ます。その人はこう言うでしょう。「ごめんなさい。わたしにもわたしの時間があるから、あなたとはこんなには逢えないし、話す時間もないの」と。その時あなたは恐らくこう思います。「嘘つき!あんなにもわたしの気持ちを分かるって言ってたくせに!最悪な人!」。これが、愛着障害や境界線パーソナリテイ障害の人によく見られる、「理想化とこけおろし」です。でも早めにこの状況となった場合、傷はお互いにまだ浅くてすみます。問題は、相手も実は同じ「分かってもらえなかった」の傷を持っている人だった場合です。ただ、この人達は、自分と同じ傷を持った人を支配・利用することで自分の「悔しかった」を昇華しようと決めた「分かってもらえなかった傷」の後遺症の権化・モンスターのような人たちです。ちなみにとても不思議なことに、これらの人たちは、見た目が美しかったり、人の心を動かす言葉に長けていたり、公衆への影響力を持っている場合が多いです。そして、ある程度の距離がある関係では「愛溢れるとてもいい人」と評判が高い場合も多いのです。

 

 

 この組み合わせ(マッチング)は、需要と供給が一致しているため、問題を長期化させ、さらには傷を深掘りし合って、最後はどちらかがボロボロになって関係が終わるか、そうならなければ、一生どちらかがどちらかを搾取する関係が続きます。実はこのモンスターですが、「癒し」を生業とするセラピストやカウンセラー業界に有意に多いと言われています。「分かって欲しい」と切望する人が、「世界でわたしだけが、あなたをぜんぶ分かってあげられます」と門戸を開いている人の元に吸い寄せられるのは自明で、だからこそなんとも歯がゆく、やるせないことですが、これが昨今は日常茶飯事です。「分かってもらえた」を味わった人は、その人を失うまいと、要求に対して「YES」しか言わなくなります。だって、その人を失ったら、この世界で誰が自分を理解してくれるの?どこに安心、安全を求めたらいいの?相手がすすめるままに、相手の商品を買ったり、サービスを受けたりと、制御がきかなくなることも・・・。相手は「同じ傷」を持っていますから、あなたに何を言えば満足し、どうしたら言うことを聞くかを知り尽くしています。あなたが相手を疑う余地など与えてくれません。赤子の手を捻るようなものです。そして、ある時、お金も時間も能力も相手に捧げ尽くしてボロボロになった頃に気づくのです。「あれ?わたしって、あの人に都合よく利用されてただけじゃない?!」って。あなたに残ったのは、お金と時間を使って、後遺症(トラウマ)の強化をした現実だけ、なんてことも・・・。

 

 

 もし、書かれた内容に思い当たることや、当てはまることがあったとしたら、今は、とりあえず、無意識で陥ってしまう”罠”を自覚するだけで十分です。そして、付き合いがまだ浅いにも関わらず、執拗に愛着を覚えて、やたら自分の秘密を話したくなってしまう人に対しては、何故相手にそこまで惹かれてしまうのだろうか?と、自分を少しだけクールダウンしてみること。これがとても大切です。次にあなたが望むのは、このパターンからどうしたら脱却できるのか?だと思いますが、この道のりは本当に厳しいですし、思った以上に時間がかかるし、専門家の力を借りなければならない段階だとしみじみ感じています。でも、先ずは自覚、とにかく自覚です。そこから過去のすべてが反転しはじめますので、今は苦しくても自分をあきらめないことです。支配や依存関係のない普通の人に囲まれて、淡く穏やかな日常を暮らせる日がきっときます。こちらのブログでも、要所要所で、わたしが経験したセラピーや得た知識についても触れてゆきたいと思っています。心理学の正しい知識を知ることで、これまでのパターンから意識的に身を守れる場合も、たくさんありますからね^^。

 

 

 

きょうも、最後までお読みくださり
ありがとうございました^^
さとうみゆき