わたし歩記-あるき-

心と向き合う写真家の学びの記録*

体験に勝るテキストはない

f:id:miyuki_sato:20201118091537j:plain

 

ここ1か月ほど安定していたベルの容体が、
日曜日の夜ぐらいから再び乱れはじめ、
ああ、”次の段階”へと
少しずつ向かっているんだなと
よるべない日々を過ごしています。


食事も少量で高カロリーを
摂取できるタイプのものに変え、
幸いベルも気に入ってくれたのか
思いのほか食べてくれる様子に
こちらも安堵していたのですが、
今朝はその姿はなく、
じっと身体を横たえて眠るばかり・・。

 

動物病院の先生とも、
ここへ来て今後の治療方針に
微妙なズレも出てきており、
調整の必要性を感じているしで
なんだかまあ気忙しいです。


それでも、ひと月前の自分の精神状態を
振り返って比べてみると、
かなり冷静で居られているなあと
自分でも驚いています。

 

 

 

hanahiroinoniwa.hatenablog.com

 

前回の記事↑を書いた後、
同じ大学で学ぶ、
看護師をされている方から、
「ご存じかも知れませんが・・・」
と、ある人物の名前を知らされました。
 

”キューブラー・ロス”

 

 

実は初めて聞く名前でした。

 

 

精神科医であるキューブラー・ロスは、
人が”死”を宣告されてから
それを受容してゆくまでの心の過程を
実際に死に臨む患者本人、その家族、
医療関係者、牧師等に対しインタビューを行い、
死を受け入れてゆくまでの過程を5段階に分け、
科学的に検証しようとした、
終末期医療の先駆者と言われている方です。


 

 


彼女の著書である
『死の瞬間-死とその過程について-』
によれば、人は死と対峙した際、
スペクトラムはあったとしても、
多くの場合、

 

 

「否認・孤立」


・「まさか自分が死ぬはずない!」と現実逃避し、
「これは何かの間違いに違いない!」と否定する。
そして、現実から逃避した分だけ、
現実である周囲からは孤立してゆく段階。

「怒り」

 

・「どうしてわたしがこんな目に?」
「わたしより生きてる価値のない人間は
沢山いるのになぜわたしが?」
と、死に選ばれたことへの怒りを感じる段階。

 

「取り引き」

 

・死ぬのは分かったけれど、
「〇〇をしますから、あと少しだけ
生かしてください」
「大切な家族の結婚式に参加したいから・・」などと、
神仏にすがって死を延ばしてほしいと
取り引きする段階。

 

「抑うつ」

 

・こんなに祈っても、行いを改めても
神や仏は救ってくれない。
この世に神も仏もいない。
やはりこの死は回避できないものなのだと
絶望に打ちひしがれる段階。

 

「受容」

 

・死との闘いに疲れ切り、
「これは自然の摂理なのだ」
「宇宙の定めなのだ」
と、感情を失っていく段階。
(しかしこれは抑うつとは違う。諦観。)
自分の来し方を振り返り、
静かに受容してゆく段階。

 

 

これらの段階を経ていくと言うのです。

 

そしてこのプロセスは、
”患者本人”のみならず、
その”家族”にも平行して起こるものらしく、
わたしは読みながら、
このひと月間でわたし自身に起きた
内面の変化との凡その符合に
驚いたのでした。

 

 

著書の中には、
このプロセスひとつひとつを
深く、十分に体験するのが
早かった患者の家族ほど、
実際の「死」を体験した後の
心理的な回復が早いとも書かれており、
わたしの場合は患者は「犬(動物)」とは言え、
ベルが仮に人間だったとして
経験するであろうはずだったことを
私自身が成り代わって
体験しているのではないか?と
そんな気がしたのです。

 

このごろ心理学の学びなり
講座を受けるなりして
つくづく感じるのは、
「体験に勝るテキストはない」
のではないか?と言うことです。

 

 

キューブラー・ロスによる
「5段階モデル」についても、
知識としてただ取り入れる目的で
読んでいたのだとしたら、
ここまでの腹落ち感はなかったように思うのです。

 

そして、キューブラー・ロスと言う
人物へとわたしを繋ぎ、導いてくれたのが
実際に日々現場で人の「死」と直面し、
向き合って居られる方であったことも、
わたしには重要な意味を持っていたと
感じています。

 

 

今回の件のみならず、
いま、「その時必要な言葉を持っている人」
からのサポートを受けとると言う
ありがたさだったり、
不可思議さの中で過ごしており、
絶望で倒れ込みそうになる瞬間は多々あるけれど、
何か目には見えない”縁環”に
守ってもらえていることも感じるのです。

 

 

 

きょうも、最後までお読みくださり
ありがとうございました^^
さとうみゆき