わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

うつ病の回復期の見極めが大切だと言われている理由

Fujifilm X-T5 with fujinonXF35mmF1.4 R

 

 厚生労働省の調査によれば、うつ病の再発率というのは60%だと言われています。ただ、この数字は1回目の再発率で、2回目は70%、3回目になると再発率は90%にまで昇ると言われています。

 

 心の学びを始める前は、もっと言うと、自律神経系の仕組みを理解する前までは、どうしてなんだろう?とずっと思っていました。

 

それこそ、やはり患者さんの性格に依拠する部分が多いのかもなあ・・と、理解するより他なかったのでした。

 

 ところが、ポリヴェーガル理論を学ぶことで、一度自律神経系の視点から、患者さんに起きていることを見られるようになってくると、表面的には「職場復帰しても問題ないだろう」という状態を呈しているにも関わらず、自律神経系的には、「あ、それってまだまだまだ、ぜんぜん社会に戻っちゃいけない!今、戻ったら、またすぐに逆戻りしちゃう!」という状態が見えるようになりました。

 

 

 ひとつ例をあげると、よく言われる「うつの回復期のリスク」問題です。

 

 

 医師からの診断書が出た後、3か月ほど、安心・安全の環境の中で、上質な休息が守られた、心理発達が成人期に達している大人というのは、多くの方が「もう、大丈夫。職場復帰できる気がする・・」と心身ともに思い始めます。

 

休息を促す背側迷走神経複合体がの働きが満たされ、外へ動き出したい!という交感神経のスイッチが自然と入り始めるからです。

 

でも、ここであなたがもし、「もうこれ以上、皆に迷惑をかけられないし、前と同じペースで働くぞ~!」と思ってしまっているとしたら要注意なのです。

 

 

 実はうつ病療養の真っ最中というのは、憂鬱感や倦怠感こそありますが、肉体からの「疲労」というものは、感じにくくなっています。ここ、すごく見極めが難しいところだと思います。

 

 

だるい気がする・・

鬱々としている・・

身体が重たい・・

 

 

これ、肉体と言うよりは、むしろ、脳の反応なのです。
療養をすることで、これらは和らいできますが、いざ職場復帰して目のあたりにするのは、生身の肉体の「疲労」です。

 

長距離電車で通勤されている方が、途中の駅で運よく席が空いて座れると、どんなに健康で元気な人でも、身体が緩んで「疲れたーー!」「座れたーー!」って全身に疲労感を受け止めることがありますよね?

 

社会で人と関わるって、うつ病の人、健康な人に関わらず、「疲労感」を伴うことなのです。健康な時には、その「疲労感」が、「今日も頑張ったなー!」と満足感として体感できることもありますが、その「疲労感」に抗って、抗って、それが限界に達してうつを発症した方にとっては、久しぶりの出社で味わう人間関係から来る肉体の「疲労感」を受け止めるだけの耐久力は、まだ回復していません。

 

 

そのため、1日出社した段階で、みんなが優しくしてくれているのに、へとへとになっている自分に「やっぱり、自分は駄目なんだ!」と思い込んで、翌日から再び自宅療養になる・・というケースも多いと聞いています。

 

 

長期休職をしてしまった方にとっては、一日も早く復帰しなければと焦る気持ちはよく分かるのですが、回復期のゴール設定のプロセスは、思った以上に細かく設定する必要があることが、自分の自律神経について学べば学ぶほど、理解できてくると思います。

 

 

 そして、忘れてならないのは、「疲労感」というのは、回復のプロセスの中では重要な体感だということ。ここの通過なしには、回復の道を歩めないのです。逆に、ヘルシーな「疲労感」を感じられれば、うつ病からかなり回復した証拠ということになります。

 

再発率が下がらない一番の理由は、この「疲労感」へのケアが不足しているか、もしくは、そこへの周囲の知識や理解が不足しているからではないか?と推察します。

 

 

この「疲労感」の見極めを、しっかりしてくださる、精神科医、心理士・心理師、心理カウンセラー・セラピストさんと共に、歩めると良いですね。

 

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

リアル参加は定員に達したため、締め切りました。
アーカイブ配信をご希望の方のみ受け付けています。公式LINEよりお問い合わせください。





 

 

 

写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき

 

 

 

今年から花拾いの庭公式LINEができました!

友だち追加 

 

ご登録の方には、たったの3分ほどで、副交感神経(腹側迷走神経系を活性化)をリラックスさせ、サバイバルモードから抜ける動きをレクチャーした動画を自動でプレゼントしております。

 

傾聴・カウンセリングお申込みフォーム
(40分 3,300円)

 

hanahiroinoniwa.com

 

 

 

 

写真を眺めてほっと一息^^  
写真家 さとうみゆき公式HP

 

miusato.com

 

 

Harmonic Photo Lessonベーシックのご案内

Harmonic Photo Lesson(アドバンス)のご案内