わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

その時、その時、経験することに向きあっていくしかない

Fujifilm X-T5 with nokton35mm f1.2

 

 最近めっきりテレビドラマを見ることが減りましたが、今期、久々にこれは面白い!と思ってハマっているのが、日曜夜22時半の「セクシー田中さん」です。

 

 

www.ntv.co.jp

 主人公の田中さんは、どちらかと言うと地味で自己主張もない40代の未婚のOLさん。そんな彼女が、ひょんなことからベリーダンスと出逢い、アフター5で煌びやかな衣装を纏うと、昼間とは別人のセクシーなダンサーに変身する・・という、まあ言ってみれば定石のシナリオではあるのですが、そこは脚本の力なのでしょう。主役のみならず、脇を固めるキャラクターの心理描写も実に細やかで、ぐんぐん物語に引き込まれてしまうのです。

 

 昨夜は田中さんが四十肩になってしまい、心の支えであるベリーダンスが踊れなくなる・・という回でした。

 

 田中さんがお休みしているダンススクールでは、20代から40代までのレッスン生たちが、四十肩をめぐりこんな会話を繰り広げました。

 

「四十肩って肩こりですよね?」(20代女性)
「四十肩ぐらいでダンスが踊れなくなるものなんですか~?」(20代女性)
「・・・・・」(44歳女性)

 

 

すべての年代を経験した私としては、それぞれの年代の言い分がよく分かります。ああ、そうだった、そう思ってたなあ・・・とか、言葉を敢えて飲み込んで、その場では何も言えなかった44歳女性の心の声はあらかた・・・

 

「全くもう、今は分からないかも知れないけれど、あんたたちだっていづれは同じ道を辿ることになるんだから!でも、それを言ったところで、分かんないでしょうし、意地悪なおばさんの戯言だって思われたくもないし、ここは黙っておくか・・」

 

こんな感じではないでしょうか?私が同じ立場であっても、恐らくは同じように彼女たちの無邪気さ、無知の危うさをを、切なげに黙って温かく見守っていたように思います。半世紀生きたことで、実際、その時にならないと分からないことが、この人生には多すぎることを知り過ぎてしまったから。

 

 

 半世紀と言えば・・先日、遅ればせながら誕生日の祝いをしようと言うことになり、地元の馴染みのフレンチレストランへ夫と行ってきました。シェフと奥様ふたりが切り盛りする、10人も入れば満席となる、こぢんまりした、けれども美味しい魚介が売りのお店です。

 

 予約の時間18時ちょうどにお店に着くと、何だか違和感。いつも真っ先に満面の笑みで迎えてくださる奥様の姿がありません。もう15年ほどのお付き合いになりますが、こんなことは初めてのことでした。

 

 「裏手でお着替えでもされているのかしら?」と思って待っていましたが、前菜が運ばれて来るタイミングになってもお姿が見えないので、さすがに心配になり、シェフに、「奥様、今日はお休みですか?どこかお加減でも悪くされたのですか?」と訊くと、「実は母の介護で・・・・」と仰る。それはそれは大変ですね・・・実は今、私も実家の父を・・と話を繋いだところで、他のご予約のお客様が2組ほど入っていらしたので、会話はそこで一時中断となりました。

 

 

 いつもは奥様がされていた、お冷のお世話やバゲッドの追加、プレートのサーブを全て厨房のシェフがされるので、そのあわただしさと言ったら、(対面のカウンターから厨房が丸見えのロケーションのため)見た目にも少し気の毒なくらい。こちらも、ワインのお代わりのタイミングをついつい気遣ってしまうほどです。

 

 そんな中、奥の席に座っていた、若いカップルの様子が、明らかに不機嫌です。追加でオーダーしたバゲッドが来ないそうで、リクエストの声色には、チクチクした苛立ちがトッピングされています。お店の事情を知っている私たちは、「あの子たち、もう少し待ってあげられないかな~?」と心の声で目くばせをしあうのですが、彼らにとっては一事が万事。それなりのお金を払ってフレンチを食べに来ているのですから、それはそれで妥当な要求だと言えます。

 

 

 ただ、その若いカップルに「奥様はお母さまの介護で今日はお休みで・・」と伝えたところで、「は?それで?それって、私たちの要求が通らないことと関係あります?」という話になりかねない。

 

 

で、話は先の「セクシー田中さん」の四十肩の件に戻るわけですが、

 

 

「四十肩って肩こりですよね?」(20代女性)
「四十肩ぐらいでダンスが踊れなくなるものなんですか~?」(20代女性)
「・・・・・」(44歳女性)

 

 

これと同じで、やっぱりその年代でしか、現実味を持って理解できないことと言うのはどうしたってあるのだろうなあ・・ということです。

 

 

私だって20代の頃には、足が一歩も踏み出せなくなるような腰痛があるなんてこと、想像も出来なかった。自分がそうなってみて、人間の身体と言うのは、いつまでも若々しくはいられないのだと思い知った。

 

 

親の介護だってそう。若い頃には、「自分だけは、お前たち(子ども)には迷惑かけたくない!」なんて大口をたたいていた親の言葉を真に受けていたけれど、実際はどうだったかと言えば、迷惑どころか、人生の活動を、有無言わせず中断せざるを得ないような現実が降りかかってきたわけで・・・。

 

きっとシェフの奥様だって、お店の運営に迷惑がかかることなど百も承知で、お休みをされているのだと思う。

 

 

だからせめて・・

 

 

同じ痛みを知っている者たちは、「そうせざる得ない」という選択をしている人に優しく在りたいと思うのです。

 

 

その時、その時、経験することに、しっかり向き合っていくことは、いつかその道を通る人たちを照らす、小さな小さな灯になると信じて。

 

 

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき

 

 

 

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