わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

バーンアウトについて考える

Fujifilm X100Vで撮影

 

 バーンアウト(燃え尽き症候群)の怖さは、本人にその自覚があまりないことではないかと思います。

 

 

hanahiroinoniwa.hatenablog.com

 

 

 バーンアウトは、特に、支援職や支援者の立場に在る方に多いと言われています。医療関係者、心理カウンセラー、セラピスト、教師、介護者、クレーム処理係などいわゆる「感情労働」を求められる人々ですね。

 

 

 援助職の方というのは、普段から人に対して支援的であったり、共感的であったりすることがデフォルトのため、自分自身が「あれ?変だな?」という状況に陥っても、「こんなんじゃ駄目だ!」「もっと頑張らないと!」と、むしろ自分を責めて、無理を重ねてしまうのです。

 

 

 日頃は有益な共感的であることが、バーンアウトの場合は裏目に出ます。相手と自分の境界線が曖昧になっていき、相手の体験にも関わらず、自分自身のことのように経験され、それが心的トラウマの二次受傷を招くのです。

 

 

 私の場合であれば、毎日父の介護をしている母と妹から、辛さや歯がゆさ、どうにもならないやるせなさを繰り返し聴くことで、話している当事者以上にその状況に心身が移入してしまい、どんどん自分の無力感にとらわれてしまったのでした。そして、何もできない自分を必要以上に責めてしまったのです。でも、母と妹は案外、私に話すことですっきりしており、どうにか毎日やり過ごせていたことが、実際に先日帰省してみて分かったのです。

 

 

 普段、クライエントさんとの間では、きっちり引けていた境界線が、家族だったことで曖昧になり、結果バーンアウトに繋がったのです。バーンアウトは気を付けないと取り返しがつかないような状況を招くケースもあります。よく介護を懸命にしていた人が、そのストレスから心中をしてしまうような事件がありますが、本当にこれは誰にでも起こり得ることで、他人事ではないのです。

 

 

 そう言えばバーンアウトについて書かれていた本を思い出しました。

 

 

赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア

(本文から抜粋)

 

 急に涙が出て止まらなくなる。小さなきっかけで不安がふくらんだり恐怖にさいなまれたりする。現場を離れても被災者のことが頭から離れない。イライラがつきまとう。自分が役に立っていると思えず、仕事に誇りが持てない。今後に希望が感じられない。

 

被災者のトラウマ体験を繰り返し見聞きすることで、被災者と同様の感情的、身体的苦痛を体験したり、支援者自身の内的な世界観が変容したりしているのです。

 

彼らの話を聴くと、この状態に陥る前から、様々な兆候が出ていたことが分かりました。家庭や職場でうまくいかない。周囲とトラブルになる。感情が感じられない。ブラックユーモアが出てしまう・・・これらはバーンアウトの危険を示しています。

 

 

 

まさに・・でした!この本は、愛着や複雑性トラウマからの回復過程で何が起きてくるのか?ということについて、当事者目線から優しい言葉で書かれていますので、ぜひ読んでみてください。

 

 

 バーンアウトしないために必要なこと・・・私は今回それは、「自分の弱さ」を受け入れることではないか?と感じました。

 

 

 「まだ頑張れる!」と思えることは大事なことですが、「自分の弱さ」を知っていることで、危険な一線を超える前に、周囲にSOSを発することが出来るのです。愛着の傷を持っている人ほど、バーンアウトしやすいと言われるのは、「人に頼ること」が生来得意ではない為なのでしょう。特に家族の問題に関しては、要注意。

 

 

 皮肉っぽくなっていたり、自分を責めていたり、理由もなく嫌味を言いたくなったりしている時は、バーンアウトに陥っている時かも知れません。そんな時は、あなたの話を否定せずに丸ごと受け止めてくれる方に、少しでも早く、話を聴いてもらってくださいね。

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき

 

 

 

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