わたし歩記-あるき-

心と向き合う写真家の学びの記録*

共感~過ぎたるは猶及ばざるが如し~

 

 ひと昔前、民間のカウンセリングやセラピーの現場では、”本音の解放”などと称し、やたらと「激しい感情の吐露」を重視するメソッドが流行った時期がありました。

 

例えば、クッションをぼこぼこになるまで蹴る床を気が済むまで叩く、といった道具を使う系や、カウンセラーやセラピストを養育者と見立てて、当時は言いたくても言えなかった未消化な思いや不満等の罵詈雑言を泣きながら浴びさせて”カタルシス”を得る・・といった手法がそれにあたります。

 

当時は、激しく感情や涙が発散されるセラピーほど、自己変容にとっては効果的で、それを引き出せるカウンセリングやセラピーが一流なのだと信じていました。(もしかしたら、今もそう思ってる方がいらっしゃるかも知れませんね。^^;)

 

 ところが、それらの手法が効果的どころかむしろ治療を絶望的に妨げる諸悪の根源だったと理解できたのは、自律神経系や脳科学の仕組みが考慮された、IFS(内的家族システム療法)等をはじめとする発達性・複雑性トラウマに特化したサイコセラピーを学んだからでした。

 

 

 通常のカウンセリングでは、ある特定の事象に悩みを持ったクライエントは、「〇〇に悩みを持っている人」として対処されます。しかし、IFSでは、自分の中に複数の人格を持つパーツと呼ばれるものが存在すると言う前提でセラピーが行われます(構造的解離の理論)。

 

 例えば、「ダイエットをしたいけれどできない」ことに悩んでいる女性が居たとします。通常のカウンセリングでは、この女性のゴールは、「ダイエットができる自分になること」で、「ダイエットを望んでいる人」としてカウンセラーは支持します。ですが、IFSのセラピストは、この「ダイエットをしたい」と思っているパーツの応援だけをすると、かえってダイエットが成功しないことを知っています。何故なら、「ダイエットをしたくない」と思っているパーツの声を無視しているからです。そのため、「ダイエットがしたい」というパーツへの過度な応援や共感をカウンセラーが与えた場合、必ず「ダイエットをしたくない」パーツの反撃にあうことになります。下手をすると、相談に来る前よりも、ダイエットが難しくなる場合も考えられます。

 

 トラウマケアの権威であるジェニーナ・フィッシャー博士は、著書『トラウマによる解離からの回復』の中で、こう述べています。

 

トラウマの詳細なナラテイブも必要ありません。必要なのは概要だけです。それを神経系や感情の許容範囲を超えて圧倒させられることなく俯瞰してくのです。この段階では、思いやりをパーツたちに向けていきますが、大事なのは共感が「ちょうど引き出されるだけ」に留めることです。トラウマ・セラピーにおいて、感じ過ぎるということは共感や思いやりをまったく無効にしてしまいます。

 

 

まさしくこれ・・・

 

~過ぎたるは猶及ばざるが如し~

 

激しい共感と共にジェットコースターみたいにアップダウンする治療同盟だとかコミユニテイだとかセラピーは、生きづらさをどうにかしたいと必死に取り組んでいる方にとっては実は劇薬です。

 

 

 わたしが主宰している花拾い句会は、神経系の”耐性の窓”が最も繊細な方を想定したプログラムを組んでいます。「俳句」というフィルターを1枚挟むことによって、この「共感」の深度をより穏やかなものへと変容させるのです。そのため、葛藤関係にある極端なパーツ(副人格)同士は暴れずに、穏やかにコヒーレンス(可干渉性)しやすくなるのです。

 

 

 今日は少しだけ難しい内容を書きましたが、句会に何となく参加し続けていたら、生きることが楽になってきたなあ・・そんな風に感じる方がいつの間にか増えていたら嬉しいなあというお話でした。^^

 

これからも地味に、わたしに出来ることで、対発達性トラウマへの活動を続けていきたいと思います。

 



花拾い茶話会します♪

 

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