わたし歩記-あるき-

あなたの未完了の物語を身体アプローチと対話で再編集する心理カウンセラー のブログです

あなたがあなた自身の理解者になるために

 

もう、何百回となく書いていることではあるのですが、
人の心が回復していくうえで、
私は「安心して悩めること」を、とても大切な目標としています。

 

悩みが完全になくなることよりも(これは実際には絶対にないです)、
悩みながらも、自分を見失わずに、明日もどっこいどうにか生きていけること。

 

苦しさを感じた時に、すぐに自分を否定したり、
誰かの価値観に飲み込まれたりせず、

 

「私は今、こんなふうに感じているんだな」

 

と、自分の状態をいったん距離をおいて眺められること。

 

その土台が育っていくことの方が、
実はとても大切だと思っています。
というか、これで人生十分なのです、本当は。

 

もう一つ、
私が大事にしているのは、人と、
「淡く永く繋がる」という感覚です。

 

とりわけ愛着の傷つきを抱えている方は、
人との距離感に、とても強い葛藤を抱えている場合が多いのです。

 

本当は人と繋がりたい。
心から理解されたい。
安心したい。

 

けれど、いざ近づこうとすると、
今度はやみくもに侵入される怖さや、
飲み込まれる不安が立ち上がってくる。

 

そのため、
「誰かとひとつになりたい気持ち」と、
「近づかれると苦しい感覚」が、
同時に存在していることが少なくありません。

 

神経系の視点で見ても、
これはとても負荷の高い状態なのです。

 

だからこそ私は、濃密すぎない関係性、
必要以上に融合しない繋がりを、
とても大切にしています。

 

たとえば、
私が続けている「花拾い句会」も、
そうした“淡く永く繋がる”練習の場の一つです。

 

無理に深く語らなくてもいい。
でも、完全に孤立もしない。

 

そんな距離感を、身体で少しずつ覚えていくこと。

 

それは、安心して人と関わるための、
大事な土台になると信じています。

 

カウンセリングの過程では、
「わかってほしい」という気持ちが強くなる時期があります。

それ自体は、とても自然なことです。

 

これまでの人生で、十分に受け取ってもらえなかった思いや、
わかってもらえなかった痛みがあるほど、
「今度こそ理解されたい」と願うのは、
むしろ自然な反応だからです。

 

ただ、その時に、
一つだけ忘れないでいてほしいことがあります。

 

それは、カウンセラーという存在は、
あなたの代わりに“あなた”になる存在ではないということです。

 

私は、あなたを完全に理解できる人間ではありません。

 

むしろ、
「わからない部分がある」
「簡単には決めつけられない」
という前提を絶えず持ちながら、
一緒に見つめていくために存在しています。

 

だから私は、

「誰よりもあなたを理解できます」

とは絶対に言いません。

 

そうではなく、

「あなたが、あなた自身を理解していくために、
私という存在を使ってください」

というスタンスを、とても大切にしています。

 

もちろん、
カウンセリングでは転移が起きます。

 

「この人ならわかってくれるかもしれない」

 

という気持ちが生まれることも、回復のプロセスの大事な一部です。

 

けれど、相手に“完璧な理解者”を求め続けると、
いつか必ず失望が訪れます。

 

そして皮肉なことに、その失望が、
過去の傷つきと重なってしまう場合が少なくありません。(トラウマの再演)

 

だからこそ私は、依存や理想化を強めるよりも、

 

「この人との関係を通して、
自分自身のことを少しずつ知っていく」

 

という方向を、大切にしたいと思っています。

 

実はこれは、
私自身の失敗の経験から学んだことでもあるのです。

 

かつての私は、
「この人ならわかってくれる」
と思える相手(セラピストさんやカウンセラーさん)に出会うたび、
気づけば、理解されようと頑張りすぎてしまっていました。

 

好かれようとしたり、
期待に応えようとしたり、
時には、自分を置き去りにしてしまうこともありました。
手段と目的が、そっくりひっくりかえってしまっていたのです。

 

そしてある時、
「この人には、わかってもらえなかった」
という苦しさの中で、関係を断ち切ることもありました。

ただ、申し訳なかったな・・と、思う相手もいる一方で、
離れて本当によかったと思う関係もありました。

 

中には、
「私はあなたを誰よりも理解できる」
という言葉を巧みに使いながら、境界線を踏み越えてくる人や場もあったからです。
この時生まれるのは、だいたいの場合、利用と搾取です。
(ただ、これ、渦中にいると分からないのだけど・・^^;)

 

だから私は、“完全な理解”を約束する支援ではなく、

 

安心して悩めること。
淡く永く繋がれること。

 

そして、
あなた自身が、
あなたの理解者になっていくこと。

 

そこを、大切にしたいと思っています。

 

 

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きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

あなたの未完了の物語を身体アプローチと対話で再編集する心理カウンセラー
・愛着の傷 / 生きづらさ / 発達凸凹
・身体アプローチ × パーツセラピー × 原始反射統合
・心の安心基地をつくっています
日本心理学会認定心理士 / 療育整体師プロ

さとうみゆき
 

 


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