
先日、図書館で少し昔に流行した「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」に関する本を二冊借りてきました。
1冊は武田友紀さんの『繊細さんの本』。
もう1冊は、高田明和さんの『敏感すぎて苦しいがたちまち解決する本』です。
どちらも、約10年前に出版され、当時は、この概念に救われた人も多かったと思います。
そうそう、HSPという概念の火付け役と言えば、こちら・・・
私自身もそうでしたが、エイレン・アーロン氏の本を読んで、「自分の生きづらさには理由があったんだ!」と安心した記憶があります。
ただ、今あらためて読み返してみると、「これでは、解決にはどうしたって繋がらないよね・・」と時代の空気を感じる部分もありました。
たとえば、「HSPは人口の20%ほど存在する少数派の気質である」とか、「繊細な人は人の気持ちを深く理解できる」「繊細さは欠点ではない、素晴らしい個性だ!」「カウンセラーや心理職、アーテイストに向いている」といった、ポジテイブシンキングな説明の数々です。
もちろん、そういう側面がある人もいるでしょう。けれど、すべての人に当てはまるわけではありません。
むしろ、昨今の知識をもって、臨床や身体の視点から見ていくと、敏感さというものは、「人の気持ちを理解できる能力」というよりも、自律神経系が周囲の刺激に強く反応しやすいプロファイルとして現れている場合も少なくありません。
また、本来、周囲に対してサバイバルモードが発動している時というのは、自分の固有受容感覚(五感)や内受容感覚(内臓感覚等)にアクセスしずらくなるので、自分の意思や感覚が鈍磨している場合がほとんど・・・。そういう意味では、「人の気持ちを理解している」というのは、サバイバルモードが投影する思い込みである可能性も非常に高いのです。
つまり、周囲の感情や空気を深く理解しているというより、それに巻き込まれやすい、感染しやすい、という形で表れるということですね。(そして、こうした状態の人がカウンセラーになった場合、クライエントともども共倒れします)。
そういう状態であるにも関わらず、「その繊細さを活かしましょう」と言われても、
当事者にとってはむしろつらさの方が大きかったはずなのです。わたしも、いっときは安心したけれど、「じゃあ、結局どうしたらいいの?」で終わっていたような気がします。
当時はまだ、神経系や身体の発達という視点が今ほど一般には知られていませんでした。
原始反射や自律神経の調整、身体からのアプローチといった考え方も、ほとんど広まっていなかった時代です。
だからこそ、まずは、「あなたは間違っていない」「そのままでいい」
というメッセージが最優先で、大切だった・・・そのことは今思えば、理解できます。
ただ、今はそこからもう一歩先の選択肢も見えてきました。
神経系や身体の状態により科学的に働きかけることで、脳の過剰な反応が少しずつ落ち着き、境界線を取り戻し、世界の感じ方が変わっていくこともあります。
「繊細さを活かす」というより、
「なぜこんなにつらいのか」を身体のレベルからクライエント自身が理解していくこと。そして、必要であれば共に調整していくこと。
その道筋が、少しずつ共有され始めているのは、この10年のとても大きな変化だと思います。
かつてHSPという言葉に救われた人が、もし今も「つらさ」を抱えたままでいるなら、その理由は、性格でも努力不足でもなく、身体のシステムの問題として説明できる部分が格段に増えました。そして、私は実際に変化し、楽になることができた。
心理の世界は、今後も日進月歩で進化していくことでしょう。
誰もが「個性」や「多様性」という言葉を、”諦め”や、”ひらきなおり”の意味合いで使わなくてもいい未来が来ることを願いつつ、今日、いま、できることを、地道に続けていきたいと思っています。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
あなたの未完了の物語を身体アプローチと対話で再編集する心理カウンセラー
・愛着の傷 / 生きづらさ / 発達凸凹
・身体アプローチ × パーツセラピー × 原始反射統合
・心の安心基地をつくっています
日本心理学会認定心理士 / 療育整体師
さとうみゆき
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心のもやもやは、大きくなる前に話して、ケアしていきましょう^^
hanahiroinoniwa.hatenablog.com
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