わたし歩記-あるき-

あなたの未完了の物語を身体アプローチと対話で再編集する心理カウンセラー のブログです

海馬と扁桃体の関係をトラウマの視点からやさしく解説します

 私たちは生きている中で、

「もう終わったはずの出来事なのに、身体や感情が勝手に反応する…」

そんな不可抗力な体験をすることがあります。

 

たった一言、ちょっとした表情、ふとした沈黙。

それだけで胸がざわついたり、心臓が強く打ち始めたり・・・


頭では「気にすることじゃない」とわかっているのに、
身体だけが昔の痛みを覚えているような・・・
この何とも言えない気持ち悪い感じ^^;

 

こうした“過去と現在が混ざる感覚”の背景には、脳の中の 海馬(かいば)扁桃体(へんとうたい) の働きが関係しています。

 

たまたま昨日から今日にかけてのセッションで、過去に由来するトラウマを扱う場面が多かったこともあり、改めてトラウマ臨床の視点から、この2つの関係をやさしく解説していきたいと思いました。

 

■ 扁桃体:危険を察知する“アラーム装置”

扁桃体は、一瞬で危険を見つけ出すセンサーです。
命を守るために、少しでも脅威があると「危ない!」と警報を鳴らし、私たちを「闘う・逃げる」の“赤モード”にします。

 

赤モードとは、交感神経の緊張状態。

呼吸は浅くなり、身体は固まり、頭の中が一気に「防衛モード」に入ります。

本来は大切な機能なのですが、トラウマを抱えていると、この扁桃体が過剰に働き、
安全な場面でも「危険!」と反応し続けてしまうのです。

 

たとえば、こんな時です・・・・

  • 何気ない言葉が攻撃のように感じる

  • LINEの返信が来ないだけで不安が爆発する

  • 相手の表情が“怒っている”ように見える

  • 落ち着くべき場面で緊張が抜けない

 

これは性格ではなく、脳の反応です。

 

■ 海馬:記憶の“整頓・分別係”

もうひとつ、重要な役割を担っているのが海馬です。
海馬は、短期記憶をいったん保存し、不要なものは削除してくれます。反対に、何度も何度もインプットされる情報は重要だと判断し、長期記憶として大脳皮質に保存するように促します。また、出来事を時間軸に沿って整理する場所でもあります。

  • 「あれは過去のことだよ」

  • 「いまは安全だよ」

  • 「これはあの時とは違うよ」

そんなふうに、体験に“終わり”を与え、記憶の引き出しにそっとしまってくれる働きをしています。

 

ところが、強いストレスや恐怖がかかると、コルチゾールというストレスホルモンによって海馬の働きが弱まってしまいます。萎縮してしまうのです。

すると、

  • 過去の出来事が“今”に割り込んでくる

  • 記憶が整理されず混乱する

  • フラッシュバックや過覚醒が起きやすくなる

つまり、「終わったはずの出来事」が、あたかも現在進行形のように感じられる状態になるのです。

 

トラウマ反応というのは、ざっくり言えば扁桃体のアラームが鳴りっぱなしで、
海馬が十分に働けていない状態
です。

 

本来なら、

  • 海馬が状況の文脈を判断し、

  • 扁桃体は必要な時だけ反応する

という協力関係で働いています。

 

けれど、トラウマ状態では扁桃体の警報がずっと鳴り続け、海馬が落ち着いて整理する余裕がなくなってしまう。

 

その結果として、

  • 小さな刺激に過剰反応

  • 安心しても緊張が抜けない

  • 相手の反応を“脅威”と誤解

  • 過去と現在が区別できない感覚

こういった日常のしんどさが生まれます。

 

 

  • 返信が少し遅れただけで胸の奥がざわっとする

  • 相手が少し黙ると「怒らせた?」と過敏になる

  • いつも通りの雑談が急に不安に変わる

  • 呼吸が浅くなり、体が固まる

  • 頭では“今は安全”と分かっているのに、身体がついてこない

 

これらは、あなたが弱いのではなく、脳が過去の脅威を「現在の危険」と誤認しているだけなのです。

 

 

では、どうしたら、過剰なストレスにさらされたことで、弱ってしまった海馬と扁桃体を回復させられるのでしょうか?

 

■ 回復ステップ①:まず“扁桃体を落ち着かせる”

心の作業を始める前に必要なのは、
身体に「いまは安全だよ」と思い出させること。これに尽きます!

 

具体的には・・・

  • ゆっくりした呼吸

  • 関節の回旋や微細な動き

  • 原始反射の統合ワーク

  • グラウンディング

  • やさしい揺らし・接地感

こうした身体アプローチは、扁桃体の興奮を下げてくれる大切な準備になります。セッションでは、必ず一緒に行っている海馬・扁桃体アプローチがあります。

 

■ 回復ステップ②:海馬が“時間を取り戻す”対話

身体が落ち着きはじめると、海馬が少しずつリカバリーし始め、記憶が整理されやすくなります。

ここから初めて、

  • IFS(パーツセラピー)

  • 安全な対話

  • 物語の再編集

  • 過去と現在の区別

  • 未完了の感情の統合

といった“心の作業”ができるようになります。

あなたの中の複雑に絡まった物語は、ゆっくりと、やさしく、過去の棚へと戻っていくのです。

 

 

トラウマは「弱さ」ではありません。それは、脳があなたを守ろうとして、全力で働いてきた証です。

 

扁桃体と海馬の働きが整ってくると、過去は過去の場所へと落ち着き、“いま”を生きる余白が生まれてきます。

 

あなたの物語は、今からだって、書き換えられます^^ゆっくりで大丈夫。

身体と心の両方から、あなたの人生が動き出すのをサポートさせてくださいね。

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

あなたの未完了の物語を身体アプローチと対話で再編集する心理カウンセラー
・愛着の傷 / 生きづらさ / 発達凸凹
・身体アプローチ × パーツセラピー × 原始反射統合
・心の安心基地をつくっています
日本心理学会認定心理士 / 療育整体師

さとうみゆき

 


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来月12月20日、対面でのイベント「DELIGHT」に参加させていただくこととなりました。場所は、東あずまの「表現スペース」です。日頃からとても仲良くしていただいている、イベントの主催者さんから出展のお声がけをいただきました。

普段はオンラインのみでのセッションなので、対面セッションは妙に緊張しますが^^;。おそらく対面セッションの機会は、今後あまりない予定ですので、年末のお忙しい時期かと思いますが、お時間のある方は、ぜひ遊びにいらしてください。イベントということで、敢えてちょっと面白いメニューも加えました。詳細はまた追ってご案内します~!