
先日、お子さんが学校でいじめにあってるのではないか?という懸念を抱えたお母様の傾聴セッションを行いました。自分自身のことならどうとでもなるけれど、子どもの人生は代ってあげられない、それが何より辛い・・と、涙ながらに訴えていらっしゃり、聴いているこちらまで本当に苦しくなるほどでした。夏休みに入ったので、しばらく様子を見ましょうということで話は一旦落ち着きましたが、今も昔も、子どもだろうと大人だろうと、「いじめ」はなぜ無くならないのか・・・。怒りと虚しさとで押しつぶされそうになります。
いじめの問題を考える時、私は中井久夫先生の本を真っ先に思い出します。(以前、ご紹介したことがあったかも知れません)学校の先生のみならず、会社の管理職の方、教える、導くという場をお持ちの方すべてに、心からおすすめしたい本です。
この著書は、大人向けにかかれた以下の本を、子どもにも分かるように先生が書いてくださったことで有名です。
本の内容を簡単に要約すると、中井先生は次のように言われています。
子どものいじめは「孤立化→無力化→透明化」の3段階で進行する、権力と支配の構造を持つ政治的な現象です。
被害者は徐々に孤立させられ、自信と反撃の力を奪われ、ついには加害者に従属し、自らいじめを否定するようになります。
この構造は外から見えにくく、大人も無関心や誤解によって加担しがちです。
いじめの現場は、子どもにとって無法地帯であり、心理的な強制収容所にも例えられるほど深刻な暴力空間です。
いじめというと、暴力や暴言といった「目に見える攻撃」を想像しがちですが、今の時代のいじめはもっと静かで、もっと見えにくい形をしています。
その特徴は、「空気」の中で、静かに進行していく・・ということ。そう、いじめは空気から始まるのです。
たとえば、あるコミュニティで、リーダーがある一人のメンバーに対して、はっきり言葉にはしないものの、うっすらとした嫌悪感や苦手意識を持っているとしましょう。この”直接口にするわけではないけれど”というのがポイントで、笑顔が少なかったり、話しかける頻度が少なかったり、グループLINEの返信等に、その人にだけ既読スタンプを返さない・・・・などなど、された当事者以外には明確に気づかないこと、けれど、どこかしら距離や違和感があるように見えたりする。当事者が他のメンバーに相談したところで、「え?そうかなあ?」と首を傾げられたり、悪くすると、「〇〇さんを悪く言うなんてあなたの方がおかしいんじゃない?!」と批判されたりしてしまうことも・・。それはそうでしょう!だって、当事者以外にとっては、とても”いい人”なのですから。
とは言え、そんな“なんとなくの違和感”は、周囲の無意識領域では確実に伝わっていきます。脳内ではバイブレーションとして伝播していくのです。
無意識領域で起きていることですから、誰も口にこそしませんが、
「リーダーがあの人をあまり好いていないみたいだから、自分もあまり関わらないほうがいいかもな」
そんな無言のコンセンサスが、知らないうちに出来上がっていきます。
物理的に何かされるわけじゃない。でも、話しかけても想いのこもった返事が得られない。質問しても、軽くかわされている気がする。輪の中に心地よく入れてもらえない。自分のふった話題には、皆があまり乗ってこない。一緒に帰ろうとしても、誰も自分の隣を歩いてくれない・・・。
何か具体的な攻撃をされたわけではない・・・・。
だけど、その場にいるのが辛い。何がいけないんだろう?
いじめられていると感じている人は、自分のどこが悪いのか?何をしたら好かれるのか?と、その場の支配を受け入れるしかない状況に自らをどんどん追い込んでいきます。
そしてある時気づくのです・・・目に見えない「空気」のなかで、自分が孤立化していたことに。
実は、私はかつて、そうやって「空気」によって居場所を奪われた経験があります。空気によって辛い想いをしている人に気づいたので、その空気を生んでいるリーダー(その人はあることの講師でした)にとって、非難、批判ととれるような言動をしてしまったためです。
何かされたわけじゃない。でも、最終的に何もされないことが、何よりもつらかった。そういう忸怩たる経験でした。
だからこそ、集団が小かろうと大きかろうと、自分がコミュニティのリーダーという立場にいる時には、心に決めていることがあります。
それは、究極的には、「孤高でいる覚悟を持つ」ということです。
例えば、もし、自分のコミユニテイ内で何か困りごとが起きたとしても、他のメンバーに相談しないことを徹底しています。それを抱えられない人は、リーダーをやるべきではないとも思う。
リーダーのちょっとした不機嫌は、思っている以上に空気を冷やします。
ですから、自分の内面のメンテナンスは必須だと自認自覚すること。
「〇〇さんって、ちょっと変わってるよね」
「あの人、悪い人ではないのだけど・・」
そんな何気ないつぶやきや表情、沈黙が、脳の伝達物質を介して、じわじわと場に広がっていくのです。あなたにも、こうした経験はありませんか?
「あの人に深く関わらないほうがいい」
「あの人はさほど大事に扱わなくても良さそうだ」
「味方をすると、自分も巻き込まれるかも」
そんな“見えない命令”が、空気として漂いはじめると、
加害者や被害者だけではなく、傍観者までもがそちらへと動かされていきます。
誰も命じていないのに、皆がなんとなく距離を取り、視線をそらし、やがて、いないものとして扱う。(=透明化)
物理的な暴力はなくても、その「空気」こそが、いじめの第一歩なのです。
誰かを無視するつもりがなくても、空気が勝手にそうしてしまう。
それが今のいじめの形なのだとしたら、リーダーの役割はとても重要です。学校であれば、担任の先生の役割がどれだけ重要なのか、お分かりいただけるでしょうか?
人と人の間に流れる「見えないもの」を、丁寧に扱うこと。
自分の感情を“空気感染”させないよう、気をつけること。
とは言え!空気は変えられます!
あたたかいまなざし、誰かを優しく気にかける一言、公平であろうとする態度。
そういうひとつひとつの行動が、
「誰かを締め出す空気」から
「誰もがいていい空気」へと、ゆっくり流れを変えていきます。
空気がいじめを生むなら、
空気が希望を育てることも、きっとできるはずです。
それが、安心できる居場所を育てる一歩なのだと信じて、これからも、私はコミュニテイ運営をしていきたいと思っています。
あなたは、どんな空気を生む人で在りたいですか?^^
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
ありおりカウンセリング
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
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