今日は少し前のお話を書いておこうと思います。
今年の春、我が家にとって忘れられない出来事がありました。
それは――寝たきりだった父が、4年ぶりに外出し、家族揃ってお花見ができたことです。その日の様子は、Instagramには投稿しました。
桜の下で微笑む父の姿は、何度思い出しても胸がいっぱいになります。もう一生こんな日は来ないと思っていたから・・・。
実は、この瞬間を迎えるまでには、少しずつ取り組んできたことがありました。
昨年の秋、私は「療育整体」という施術法に出会いました。奇しくもそれは、原始反射の統合について学んだ、橋本和香子さんのセミナー内でした。
創始者である松島眞一先生の講座を受け、その手技――「ゆらぎ」「入力」「縦横」をはじめて目の当たりにしたのです。
療育整体は本来、発達に課題を持つお子さんのために考案されたものですが、私はある思いから、父に対して実践してみることにしました。(すでに原始反射の統合の施術も継続して行っていました)
というのも、病に伏してからの父には、いくつかの「理不尽な」訴えがあったからです。それは、
・強い匂いに耐えられない
・パジャマのウエストのゴムが苦しい
・時計の秒針の音が耳について眠れない
もともと父は感覚機能が強い人ではありましたが、少々過敏とも言える状態。私はふと「原始反射」の影響に加えて、寝たきりになったことで歩行が出来ず、血流が上手く流れなくなり、”発達”が後退している影響もあるのではないか?と考えるようになりました。
原始反射とは、赤ちゃんが生まれながらに備えている生存本能的な反射です。
例えば「恐怖麻痺反射」は、危険を感じた時に体を固めて動かず、やり過ごすための仕組みです。
この反射が残っていると、些細なショックにも身体を「びくっびくっ」と固めてしまい、それが積み重なることで、筋肉が硬直し、まるで骨のように固くなっていくケースがあります。時々、子どもの内からひどい肩こりだとか腰痛持ちの子がいますが、家庭内に安心・安全のスペースがなかった子たちの中には、成人になってから、その積もりに積もった恐怖麻痺反応の影響で、全身が強烈な痛みに襲われるケースがあります。
通常これらの反射は、成長とともに自然と統合され、日常では表に出ることはありません。けれども、生命の危機や深いストレスの中では、再び表出することがあります。
死と隣り合わせの恐怖の中にあった父にとって、過敏な反応の数々は「原始反射の再活性化」によるものではないか?
そう思った私は、反射の統合ワークに加えて、後退してしまった父の発達を促すべく、療育整体の手技を家族で実践していったのでした。
手技を続けていくうちに、父は少しずつ、でも確実に落ち着いていきました。以前は子どものように、感情を表出していましたが、大人としての立ち居振る舞いが戻ってくる回数が増えました。
憎まれ口しかたたかなった食事の時間も、楽しむ時間が増え、笑顔が戻り、「外に行ってみようかな」とまで言えるようになったのです。
そして迎えた、4年ぶりの外出・・。
桜の木の下で、父の頬に当たる春の風を見て、涙がこぼれました。
先日、松島先生の講座にリアルで初めて参加した際に、私はこのことを先生に直接お伝えすることができました。
先生はにこやかに、「お父さん、良かったね~!これからも続けてみてあげて!また、お父さん、どんな風か教えてね~!」と、力強く答えてくださいました。
療育整体は「発達支援」のために生まれた整体法ですが、認知症や寝たきりといった、老年期のケアにもきっと大きな可能性があります。
介護やご家族の健康に関わる方にも、ぜひ知っていただきたいと思っています。
昨日、公式LINEからは「自分の身体の“縦横”を知る方法」を配信しました。
すでにご覧になった方は、ぜひ一度ご自分の身体で試してみてくださいね。
この我が家の春の記録が、どなたかの希望の灯りになりますように。
読んでいただき、ありがとうございました。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
パーツの外在化をサポートするインナーアクテイブカード、残り1セットです↓
hanahiroinoniwa.hatenablog.com
ありおりカウンセリング
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
心のもやもやは、大きくなる前に話して、ケアしていきましょう^^
花拾いの庭公式LINEができました!
ご登録の方には、たったの3分ほどで、副交感神経(腹側迷走神経系を活性化)をリラックスさせ、サバイバルモードから抜ける動きをレクチャーした動画を自動でプレゼントしております。
メッセージから「食いしばり」「巻き肩」とそれぞれ送っていただくと、対応した動画が届きます!^^