私は生まれたのは信州ですが、中学の時に父の転勤で東京へと引っ越しています。地元企業に就職し20年ほど経っていた父と母にとっては、寝耳に水の辞令でしたが、私は密かに、新天地での生活に胸を躍らせました。何故なら、幼い頃に生まれ育った故郷には複雑な思いがあったからでした。
正直なところ、所謂”田舎”と呼ばれるその土地は私にとっては窮屈で、古いしきたりや神事、そして近所の視線が常に感じられる、まるでそれは、父という強い権力者の存在感そのもののようでした。
物心ついてからすぐに、「土地や家やお墓を守れ」と言われるたび、その重圧に息苦しさを感じていました。重たい足かせを、ひとつ、またひとつと足に括られているような感覚・・・。田舎の伝統やしきたりは、私にとってただの負担でしかなかったのです。
しかし、時は流れ、運命は意外な形で私に新たな視点を与えました。
父が病に倒れ、私は介護の役目を担うようになりました。最初は戸惑いと苦労も多く、いやいやながら実家に帰省する日々を送っていました。しかし、父の力が次第に弱まっていく中で、私はふと気づきました。
介護という現実の中で、父という存在に押し付けられていた故郷の重圧が、少しずつ薄れていったのです。厳しい伝統や圧力といったものが、父という幻影の中に隠れていたと知った時、私は初めて故郷そのものを純粋に見つめ直すことができました。
豊かな自然、美しい水の流れ、雄大な山々と静かな湖。何より、そこで育まれた美味しい野菜や果物、そして地酒が持つ独特の味わいは、かつて私が感じたどんな重圧も一瞬で忘れさせるほどの魅力を持っていました。
澄んだ空気を吸い込むたび、こんな素敵な場所で生まれてきたのだと、心の奥底から嬉しさが湧いてくるのです。
今では、月に一度の実家への帰省は、ただの面倒な義務ではなく、命の洗濯をするかのような大切な時間となりました。かつては恐れていた故郷が、今では心から愛せる場所へと変わりつつあるのです。
たとえ過去に複雑な思いがあったとしても、時が経つにつれて、真実の美しさは自然と姿を現すものなのかも知れません・・。そして、もし同じような気持ちを抱えている方がいらっしゃるとしたら、思いがけないタイミングで、自分自身の”ルーツ”に新たな気づきを得られる可能性もあるよと伝えたいです。
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すみません!3月の読書会もお休みしますm(__)m
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
ありおりカウンセリング
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
hanahiroinoniwa.hatenablog.com
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