わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

共感ってなんだろう?

 

 先日、私が主宰している句会(花拾い句会)で、2025年最初のシェア会を開催しました。主催者である私はプロの俳人でもない、もちろん公認の結社でもない、そんな句会の場ではありますが、いよいよ今年は結成4年目に突入です。

 

hanahiroinoniwa.com

 

私自身にこの句会を何が何でも続けて行こうという気負いは一切なく、「やめたくなったらやめよう」という当初からの想いは、今も変わっていません。(笑)おそらく、これからも変わらないでしょう。

 

 花拾い句会がどんな句会なのかを説明する文章の中に、

 

◇花拾い句会は、得点、技術の向上よりも、”共感力”と”他者理解”を大切に育むことを目的としている句会です。

 

という文言があります。

 

 今日はこの”共感”について、少し書いてみたいと思います。

 

辞書で「共感」の意味を調べると、広辞苑にはこう書いてあります・・・

 

他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く同じように感じたり理解したりすること

 

これ、具体的なアクションとして、どんな状況を思い浮かべますか?

 

例えば最近、大切なペットを病気で亡くした方に、共感的に接しましょう!と言われた時、あなたはどんな風に共感しますか?

 

ある人は

 

「私も昨年、飼っている犬を亡くしたの!すごく辛かった・・あなたの辛さ、悲しみ、しんどさ、分かる~!😢」

 

と言うアクションをとるかも知れません。そして、「私はこの人に共感している」と感じるかも知れませんね。

 

 

そう、正直、私もカウンセリングを学ぶまで、これが「共感」だと思って生きてきました。同じような経験をしているからこそ、「共感」が生まれるんだ!と思っていたのです。

 

 

でも、この概念が「共感」だと考える時、ペットを飼っていない人や、今現在、ペットが元気な人にとっては、「共感」は発生しない・・ということにはならないでしょうか?

 

 

他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く同じように感じたり理解したりすること

 

 

「自分も全く同じように感じたり理解したりすること」

 

 

私は、この部分にこそ、本当の「共感」に私たちが至れない罠があると思っています。

 

先ず、「自分も全く同じように感じたり理解したりすること」は不可能です!

その前提に、立ち返らないといけない。

 

 

先ほどの、ペットを亡くした方の話に戻りますが、その方が「辛い」、「さみしい」、「しんどい」と訴えている根っこの部分にある状況は、あなたが「おそらくは、そうであろう」と思っている内容と違う場合が殆どだと言うことです。

 

「高齢のひとり暮らしだったので、ペットが家族同然だったから、この世に独りぽっちになったようで辛い」

 

かも知れないし、

 

「子どもの居ないご夫婦で、ペットがいたことで夫婦仲がどうにか続けられていたけれど、夫と二人、この先暮らしていけるか不安で辛い」

 

なのかも知れない。

 

つまり、「共感」と言うのには段階があって、

 

「私はAさんは〇〇だから辛いのかな?と思っていたんだけど、目の前のAさんにとっての真実はどうなんだろう?」

 

と問いを立て、ヒアリングし、理解し、腹落ちさせてからの~

 

「ああ、そうか、だからAさんは、〇〇だと感じたり、考えているんですね!私の考えは違ったかも知れない!そうだったんですね!ようやく、あなたのお気持ちが理解できました!」

 

という心の動きに至ることなのです。

 

この心の動きのプロセスには、「ペットを飼う」経験も、「ペットを亡くす」という経験も必要ありません。

 

 

では、よく友人同士の会話で、

「うんうん、分かるよ~!」
って言い合っているアレって「共感」ではないのですか?という質問が出てくると思うのですが、あれは「共感」ではなく、「思いやり」です。


 
「思いやり」が発動するためには、少なくとも目の前の人のことを「大切に思う」・・という、「思い入れ」があることが絶対条件です。そして、「思い入れ」があるからこその「思い込み」という状況が生まれるとも言えます。

 

 

カウンセラーがクライエントさんの話を傾聴する際には、この両方を使い分けます。そして、セッションが進み、信頼関係がある程度構築され、「理解」つまり共感に至った時にはじめて、

 

「あなた自身は、〇〇だと考えておられるようだけれど、私は▲▲のようだと理解しているのだけれど・・・」

 

と、所謂、問題の本質との「直面」という局面を迎えます。カウンセラーという親的存在からの親離れ、ですね。このタイミングがね・・いまだに本当に難しくてね・・・。(泣)ああ、まだ、早かったか・・と後悔することが度々ある。しかも、この直球ストレートを投げるチャンスは1回こっきり。そこを超えられたクライエントさんの人生と言うのは、嘘偽りなく、根本から変わって、自分の足でしっかり生きていける人生になっていくのだけど・・。私が未熟で、失敗だったと気づかされる度に、学びは振り出しに戻ったと思って、気持ちを引き締める・・ずっと、ずっと、その繰り返しです。きっと、この先も。

 

 

で、話はそれましたが、花拾い句会のシェア会でしているのは、この「共感」のやりとりの練習だと思っています。

 

 

俳句と言うのは17音しかありません。自分の表現したかった事柄を17音で他人に伝えきるというのは、本当に至難の業。

 

「こういうことを言ってるのかな?」

 

という、作者の意図から外れた個人の思い込みが、多々発動されます!それをシェア会では、

 

「〇〇とは、▣▣の意味でしょうか?え?違うんですか?」

「〇〇ということを表してるのかと思っていました!」

「なるほど、そう言う意味ではなかったんですね!」

「ああ、それを言いたかったんですね!」

「なるほど、それなら、あなたがそう感じてしまうお気持ちは理解できます!」←ここが共感地点!

 

というプロセスを通して、「共感体験」をひとりひとりが積んでいるのです。

 

恐らく、無意識のうちに、句会の参加者さんたちというのは、この数年で、人の話の聴き方が変わってきているはずです。本当の「共感」を他人に対して出来る、そんな「共感・理解の筋肉」が育っているはずです。

 

これまで、改めて言葉にして句会の場で起きていること、積み重ねてきたことを話すことはなかったのですが、発足4年目に突入と言うことで、言語化してみました。

 

 

メンバーの皆様には、いつも感謝でいっぱいです。
ありがとうございます。(^▽^)

 

現在、公な新規のメンバー募集は行っておりませんが、私と個人的にやり取りがあって、なおかつ繋がっている信頼関係のある方で、花拾い句会の活動にご興味のある方には、参加へのお声がけもさせていただきたいと思います。公式LINE等からご連絡ください。

 

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きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

ありおりカウンセリング
写真家・認定心理士,産業カウンセラー

さとうみゆき

 

 

 

 

 

 

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