腰への負担を軽くするために使い始めたX100Vでしたが、なんだかんだで約1ヶ月が経とうとしています。
最初こそ、「あ~ここで135㎜があれば~」とか、「ズームレンズならもっと近づけるのに~」等と、”したいことと写る画”のギャップに苛立つこともありましたが、今となっては、「このカメラで必要十分じゃない?面白いし!」と思っている自分がいるから不思議です。
で、何がそんなに面白いのかを改めて考えてみたところ、ひとつの仮説が・・・。
それはX100Vが、
”ちゃんと失敗させてくれるカメラ”
だからかな?ということでした。
このカメラ、今時は当たり前になっている「手ブレ補正機能」がついていないんです。そのため、風が吹いている時に花を撮ったり、動いている動物なんかを撮影しても、見事にブレてしまうんですね。
玉ボケが綺麗でびっくりする!
上の写真も、「構図も決まった!さあ、撮るぞ!」の瞬間に風が吹いてしまって・・・。希望していた位置よりも、花が僅かに持ち上がり、さらに風でブレているのがお分かりになるでしょうか?
こんな時、仕事で使っているsonyα 7Ⅳであれば、ぴたーっと構図が決まってくれるはずなのですが、X100Vだとそうはいきません。いかないのですけど・・・でも・・・たぶん、仕上がった写真を見比べた時に、私が好きなのは、絶対にX100Vで撮影したこちらの写真のような気がするんです。
このカメラを使うことで思い出しました。本来写真というのは、摩訶不思議な偶然性が込み込みでのアート表現であったこと。いつの間にか、撮影環境をコントロールできる、失敗しないカメラが世の中の主流になり、オーナーの意図が100%反映できるものが、良いカメラと言われるようになりました。もちろん、仕事であれば、それが一番に求められることですから、事実助かっていますし、しかるべき進化を遂げてきたことはありがたいことなのですけどね・・・。
でも、カメラが完璧な優等生になればなるほど、撮ることが、どこかつまらなくなってきているのかも知れません。そんな風に思っちゃった。このカメラを使ってから。
失敗しちゃダメ!クライアント様のご希望を100%叶える写真を!
・・ってずっと張り詰めてきた緊張が、良い意味で緩んだというか・・。どんなカメラ、レンズでも、自分の写真は撮っていける!という自信に繋がったというか。
写真の楽しさの原点をもう1回思い出せたこの1ヶ月。この経験が出来て、本当に良かった。このまま行ったら、きっとどこかで、自分の写真が分からなくなってたと思う。
超絶お勧めのカメラなのですが、昨今値段が異常高騰しているため、相当なカメラ好き以外、あまり積極的に推せないカメラになってしまったのが残念。。。
1世代前のX100F↓も写りが柔らかくてとても良いカメラですよ^^
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
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写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
写真を眺めてほっと一息^^
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