ギャラリーで働き始めてから、それまではあまり意識してこなかった”写真というアートの価値”について考えるようになりました。
例えば、全く同じ景色を、同じサイズ、画角で表現している”絵画”と”写真”があったとします。絵画の方は、言われなければ絵だとは分からないくらい精巧で、まるで写真のようなアクリル画。一方、写真の方は、言われなければ写真だと分からないほど、絵筆で描いたようなテクスチャだとします。ちなみに、双方とも同じ額装が施されています。
作者名は明かされていませんが、所謂、世の中の誰もが知っている有名アーテイストではないとしましょう。値段はどちらも10万円です。
この時もし、どちらかを絶対に購入しなければならないとしたら、あなたならどちらを購入したいと思いますか?
ちなみにこの条件下であれば、わたしは絵画を購入するかも知れません。理由は、ひとつで、それは、”絵画の唯一無二”性です。そして、写真を購入しない理由は、絵画を購入する理由をそのまま反転させたものとなります。
この”絵画の唯一無二”性というものを、ギャラリーという場所で働き始めてからというもの、何度も、何度も、突きつけられているのです。
いったい、写真ってなんだろう?!
写真というアートの価値って?!
この問いが、自分の中では止まらないんですね。
では、こんな場合ってどうでしょうか?
あなたがオンラインで、エステサロンを探しているとします。
ひとつは、サロンの内装が全てイラストで描かれたサイト。オーナー紹介も、似顔絵です。もう一つは、内装もオーナーも写真で掲載されているサイトです。
ちなみにわたしなら、写真で紹介されているサロンを選ぶと思います。なぜなら、イラストでは、それが真実かどうかが分からないから。自分の身体に触れるかもしれないオーナーの実際の顔を見て、依頼をするか判断したいからです。
この場合の写真の価値は「いかに真実に近いかどうか」です。イラストでは「真実」を伝えるための要素が足りません。
そう言う意味では、写真が負っている役割・価値というのは真実性にあって、それを証明するための、「データ」だとか「素材」と言う要素が強いのかも知れません。
では、写真は「アート」として価値が弱いのか?というと、そんなことはないのですが・・・。うーん。
この私が日々突きつけられている問い・・・・。
私が置かれている状況は、ある意味特殊だと思うので、なかなか共感し合える人が少ないのですけど、分かってくださる方と、このモヤモヤをいつかぶっちゃけて話したいなあ・・なんてついつい思ってしまうのです。
ただいま、8名のアーテイストの皆様とバーチャル写真展開催中です!
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
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写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
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写真を眺めてほっと一息^^