「悩まない自分になりたいんです!」
と、最初の面談(インテーク)で仰るクライエント様は少なくありません。
わたし自身も悩みがちな性格をしているので、
そう願う気持ちには、正直、非常に共感できます。
ただ、振り返ってみた時に、「悩まない自分になりたい!」と必死だった頃の自分は、どこか”病的な安定”を求めていたなあと言う気がしています。
hanahiroinoniwa.hatenablog.com
こちらの記事でも触れていますが、悩みと言うのは”葛藤”を緩めていくことで、改善へと向かっていきます。
ところが、この”葛藤”自体が自覚されない愛着障害の方というのは、とにかく先ず健全な”葛藤”の状態を自分自身に許すことが目標となります。
「じゃあ、葛藤ってどうしたらできるの?」
と言う声が聞こえてきそうですが、健全な葛藤のベースこそ、自分自身への愛着なのです。自分へのヘルシーな愛着(自己愛)があるからこそ、
(大切な)自分は〇〇をしたくない vs でも、〇〇ができなくて困っている
という図式が成立するのです。
そう、”葛藤”=悩むって、実はヘルシーな心理発達があるからこそできるのです。
ところが、愛着障害の方の悩み方というのは、
「わたしが生きているだけで、周りに迷惑をかけている」
「わたしのせいで、プロジェクトが上手くいっていない」
と言う具合に、存在の根幹にかかわる欲求部分で自分を押し殺しているために、究極的には、
「自分はいつまで生きていればいいの?」
「どうしたら、生存を許してもらえるの?」
となってしまうのです。
そこには「(大切な)自分」との葛藤構造が見られません。
これは、かつての自分自身にも真っ先に言ってあげたいことなのですが、
「悩んでいいんだよ!」
「悩めるって健康な証拠なんだよ!」
ということ。
むしろ、「病的な安定」を求めて、かえって益々、拗らせてしまったのではないか?と思います。
「病的な安定」ではなく、
「健康な不安定」こそが、本来の人間らしい在り方だし、自分らしくもあるのではないでしょうか?
安心して葛藤できる経験を、少しずつ積み重ねていくことで、自律神経も安定していきます。ゆっくりと、焦らずに。^^
私が学んでいる高橋先生の著書です。
愛着障害の方の心の動きが詳細に書かれています。
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
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写真を眺めてほっと一息^^