わたし歩記-あるき-

心理カウンセラーでもある写真家のブログです

問題の解決が目的ではない

Sonyα7Ⅲ with Sony90㎜ Macro f2.8 G OSS

 

 わたし自身もそうだったのですが、愛着トラウマを負った方というのは、カウンセリングを申し込むに至るまでに、時間がかかってしまうケースが多いようです。

 

 その理由ですが、通常の成人期の方であれば、

 

仕事で○○をしたい。
でも、そうしようと思って頑張っているけれど、
どうしてもできない。どうしたら出来るようになれるのか?

 

とか、

 

自分はいま、○○だと分かっているにも関わらず、
心がどうしても身体に追いついていけずに苦しい。
もう少し楽になりたいのだけど、どうしたらいいのか?

 

といった具合に、悩みのベースには、
「○○したい、でも、できない」と言った
強い葛藤を抱えているケースが多く、
傾聴でこの強い葛藤を緩めていくことで、
クライエントは現状を改善していける場合がほとんどです。

 

 

ところが、愛着トラウマを負った方の場合、
「○○したい」の部分が無い場合が殆どで、
この”葛藤”にあたる部分自体が不明確なことが多く、
それがいつから始まったのかも分からない。

 

でも、そのせいで自分がとてもしんどいし、
だから苦しいのだとは分かっている。

 

ただ、だからといって、カウンセリングへ行けば、
自分の心の不具合の理由を先生に話さないといけない。
ちゃんと話せないと先生に迷惑をかけるかも知れない。
受け入れてもらえないかも知れない。
変な人だと思われて嫌われてしまうかも知れない。

 

ならば、やっぱり、
自分なんかが誰かを頼ったり、
相談なんてするべきじゃない。

 

そう思考した結果・・・・

 

やっぱり、独りでなんとかするしかない。

 

と、堂々巡りしてしまったりします。
(違いますかね~?^^;)

 

 

実は、愛着トラウマを負った方のカウンセリングは、
通常の成人期の方のカウンセリングの流れとは
全く違ったプロセスを辿っていくのです。

 

そもそも、問題の解決自体が目的ではないのです。

 

というか、本人でさえ、
本当の葛藤に気づいている場合は少ないのです。

 

 

愛着トラウマに苦しんでいる方のカウンセリングのゴールは
外に現象化されている何らかの問題の解決ではありません。

 

カウンセラーとの関係が良好になることでも、
特定の人間関係が改善されるといったことでもなく、

 

自分自身との愛着関係の回復なのです。

 

 

ここを見落として、
具体的な状況の変化を目的に何らかの精神療法を続けている場合、
クライエントはいつまで経ってもモヤモヤしたまま、
満足することはありません。

 

ですから、もし、しんどいのだけれど、
何を相談していいのかが分からない・・・

 

 

と、辛さを抱え込んでいる方が居るのだとしたら、
もうそのまんま、

 

 

「しんどいのだけれど、
自分では何を相談していいのか分からない。
どうしていま、相談しているのかも、実は分からないんです」

 

と、お話するところから始めて欲しいなと思っています。

 

 

そんな方が、命がけでいらっしゃるたびに、

 

 

ここまで来るのに、長かったね。
本当に頑張ったね。

 

 

と、思っています。

 

 

 

 

きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき

 

 

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