今日から立冬ですね。晩秋から初冬へ・・季節がまた一歩進んでいきます。
11月1日、NHK学園で開催された、稲畑汀子の追悼講座、
「わたしたちの稲畑汀子~花鳥諷詠~」に参加してきました。
講師は、稲畑廣太郎先生、鈴木章和先生のお二人でした。
講座の内容が多岐に渡り深く、未だ消化も出来ず、書ききれないほどなので、わたしが「そうだったのか!」と思った点を2点だけ、今回は書き留めたいと思います。
先ず、「季語」と「季題」の違いについて。
え?同じものではないの?!と思ってしまったのですが、ホトトギス派の稲畑先生によれば、違うそうです。
そもそも「季語」とは、季節を表す言葉であれば、全て季語なのだそうです。一方、「季題」とは、言葉として美しく、詩趣があるとして取捨選択された言葉であり、かつ、その「季題」を用いて詠まれた”名句”がある言葉・・を言うのだそうです。
そして、俳句とはこの「季題」を詠むことだと明言されて居られました。
また、「客観写生」の「客観」については、「季題」を通して読み取れる作者の気持ちが、自分だけが満足している内容になっていないか?
自分だけの満足で終わっているものが「写生」。
他人にも見えるように詠めているものが「客観写生」。
だそうです。
この違いを理解するには、場数を踏んでいくしかないとも仰っていました。
その場数と言うのは主に句会のことを意味するのですが、句会の場に発表した句の中で、人に取られない句というのは、大概「写生」の句なのだそうです。一方、「難しい内容でなく、こんなに簡単な内容だったのに・・?!」と言う句ほど、他人からは取ってもらえることが多いのは、それが「客観写生」になっているからだそうです。
うん・・ここは、本当に研鑽が必要な部分かなと実感しております。
最後に稲畑汀子の俳句の作り方の10か条を添付しますね。
1,上手に作ろうとしない。言葉のアヤに振り回されないこと、感動を薄めてしまうからである。
2,難しい表現をしない。平明に表現することによって、心の奥に秘められた感動がスーッと伝わって来る。平明は平凡ではない。
3,言いたいことを全部言わない。ギリギリまで省略をすること。
4,季題を重ねない。1つの季題でその物をしっかり生かすこと。季題を重ねると意味が曖昧になりやすい。特に別の季の重なりは駄目。
5,言葉に酔わない。独りよがりになる。
6,人真似をしない。初心者でない人はなるべく真似をしないこと。季題に徹して自然にフッと出た言葉を大事にすること。
7,切字を重ねない。
8,作りっぱなしはいけない。作った後で人に判ってもらえるかどうか、主観的になってはいないかをもう一度作品を見直してみる。一度突き放してみること。
9,頭の中で作りあげない。吟行で目に触れたものと取り組むこと。
10,一面からのみ物を見ない。物をしっかり見るには、近寄っていろいろな角度から見る。一面からだと一つの観念しか動かない。角度を変えて一句の広がりを求めること。
最後の10番は、フォトレッスンの中で私がお伝えしている内容とまったく同じでした。
写真と俳句って、やはりどこか共通点が多いなあと思います。
hanahiroinoniwa.hatenablog.com
きょうも最後までお読みくださりありがとうございました。
写真家・認定心理士,産業カウンセラー
さとうみゆき
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写真を眺めてほっと一息^^