わたし歩記-あるき-

心と向き合う写真家の学びの記録*

失われた岬 篠田節子

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 昨日、彼の”本の天国”から早々に引き上げてでも、わたしが続きを読みたかった小説、それは篠田節子の『失われた岬』でした。

 

 

 

 久しぶりに、現実生活がそぞろで手につかなくなるほどハマった小説です。

 

 この本の帯には、

 

”人が人であるとはどういうことなのか”

 

というフレーズが綴られているのですが、その問題提起が何しろ、大きすぎて、深すぎて、今でもひたすらそれについて悶々と考え続けています。

 

 ミステリー小説のため、ネタバレしないよう、なるべく抽象的な感想にしたいなあと思うのですが、この小説を読んでいるわたしの脳裡に絶えず浮かんでは消え、浮かんでは消えしていたのは、有名なあの図・・・

 

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 そう、マズローの5段階欲求です。近年では、最後の「自己実現」欲求の上に、第6の「自己超越」なんていうフェーズがあると言われています。

 

 『失われた岬』は、北海道のとある岬に、それまでごく普通か、もしくは、”普通以上”の生活を営んでいた人たちが忽然と消えていってしまう謎が描かれているのですが、わたしにはその岬を目指す人たちの胸の中に渦巻く動機が、この第6の「自己超越」欲求に根差しているように思えてならなかったのでした。

 

 

 誰にでも生きている限り、欲求があります。そして同時に、その欲求が叶えられない時に味わう、挫折感や嫉妬、劣等感による苦悩があります。わたしも、それらがきれいさっぱり消えてなくなれば、どれだけいいだろう、その境地に至りさえすれば、この世に居ながら、天国に生きているのと同じ状態になれるのでは?等と何度思ったか知れません。実際に、そうしようと自分なりに試みたこともありました。今もしているのかもしれない。でも、それって本当?本当にそうなの?!と、この小説は畳みかけるように問うてくるわけです。

 

 分かる。ひょっとしたら、自分だってこの「岬」に、足を踏み入れていたかも知れない。そう冷静に思えたのなら、あなたはまだ「人が人として生きる世界」に足場があるのかもしれません。一方で、「まさか、そんなこと自分には関係ないし。」と思っている方は、何かのタイミングで歯車がぴたっと重なった段階で、「岬」へ赴いてしまうかも知れませんよ?なんてね。

 

 

 とにかく、ほんとうに、ほんとうに、この上なく面白い小説でした。人によって、様々な見方、視点があると思います。「読みました!」という人と、ぜひ内容について語り合いたいです。もし、宜しければ、オンラインで読後の感想トークなどしませんか?^^ブログのメールフォームから、お気軽にお便りください。

 

 

きょうも、最後までお読みくださり
ありがとうございました^^
さとうみゆき

 

 

 

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