わたし歩記-あるき-

*心理士を目指す写真家の学びの記録*

母の心の状態

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 一昨日、母の誕生日だったので毎年そうしているように、朝一で電話をかけると不在。「こんな早くから家に居ないなんて変だな・・」そう感じてメールをすると、ほどなくして母から、「いま、病院なの。ちょっと調子が悪くて。」とだけ返事がきました。主語がないので、母なの?父なの?どっち?と混乱しましたが、そもそも調子の悪い父に対して「ちょっと・・」は妙だし、おそらく母本人のことなのだろうと推測し、「心配です。終わったら連絡してね」とだけ返信しました。

 

 その日はわたしも外出していたため、結局母と話せたのは夜になりました。先ず、「どうしたの?どこか具合悪いの?」と尋ねると、「なんか急に手足のしびれを感じるようになっちゃって・・・。夜もあまり深く眠れなくて、おしっこも出にくくて。食欲もあまりなくて、体重もお父さんが倒れた頃から減ってきて。悪い病気かも知れないと思って一応病院に行ったの。先生からは血糖値が高いけど腎臓はきれいだし異常もないから、”心労でしょう”って言われて、薬を貰って帰って来た。」とのことでした。

 

 母の主訴を聞きながら、わたしの中にはいくつかの可能性が浮かんでは消え、消えては浮かびしていましたが、最終的に、「ああ、これは間違いない・・」と見立てた病名に行きつき、念のためと、貰って来た薬の名前を聞いたときに、自分の見立てが当たっていることを確信しました。

 

 

それは「仮面うつ病」、です。

 

 

 仮面うつ病はうつ病の初期症状だとも言われています。うつ病の場合は、「やる気が出ない」、「落ち込みが続く」など、本人の自覚により発症に気づく場合が多いのですが、この仮面うつ病の場合は、精神症状よりも身体症状の不調が先に自覚されるのです。本人的にも1日中元気がないわけでもなく、快活でいられる時間もあるために、「抑うつ感」を自覚しにくいと言われています。早期に気づいて治療することで、大うつ病への進行を防ぐことができます。

 

 

 血糖値が高いのはストレスホルモンによるものだし、そのストレスによって交感神経が優位になるために眠れない。おしっこの出が悪い、睡眠障害が起こっているのはそのせいでしょう。母は「悪い病気だったらどうしよう・・」と電話口で零すので、「お薬を見ると、たぶんそれは大丈夫だと思うけど、お母さん、先ずは自分の心が自分が思っている以上に疲れていて、不安になっていることを自覚しようね。お母さんが元気そうだったから、わたしも油断してた。今、ケアが必要なのは、お父さんの方じゃなくて、むしろお母さんの方だったね。ごめんね。気づいてあげられなくて。お母さんや病院のスタッフさんに我儘言ったり、文句言ったりしてるお父さんは、”心だけ”はすご~く元気だから、ある意味安心。お母さん、何か不安になったり、気になることがあったらすぐに電話してね。」と話し、後はとりとめのないような話を小一時間話して電話を切りました。

 

 

 もともと母は、いろいろなことをあまり深く悩まない質と言うか、そのためかちょっと人の心の傷みや、言葉にならない気持ちを察することに不得意なところがある人でした。そんな母ですから、子どもとしては繊細な「共感」が得られずに苦労したし、わたしが心地よいと感じる愛され方はされず寂しい思いも沢山してきたわけですが、母自身にとってはその性質は紆余曲折な人生を生きるためには救いだし利点だったのでしょう。けれど、その共感への”鈍感さ”が自分自身の心に対しても働いてしまったために、今回のように身体症状に「SOS」が出る結果となったのだろうと考えられます。

 

 

 本来ならすぐに実家に帰って一緒に居てあげたいところですが、それが出来ない今、本当に歯がゆいです。自分ひとりの行動が、他の多くの方の感染につながったらいけない・・と、薄玻璃のようなギリギリの倫理の上でいろいろを制御し、我慢してきましたが、もういいですかね?もう、いいんじゃない?何のための家族なの?何のための今なの?といった、永遠に答えのない問いかけを、もういっそのことぶち壊してしまいたいような衝動に駆られているわたしがいます。

 

 

 

きょうも、最後までお読みくださり
ありがとうございました^^
さとうみゆき