3月末から始まった夫の完全テレワークですが、
8月に入った今も状況はまったく変わらず、
自宅で朝・昼・晩と3食、規則正しく食事をする日々が続いています。
(当時を綴った以前のブログです↓)
当初は、往復で3時間かかっていた通勤時間を
睡眠に当てられるようになったことで慢性的な睡眠不足も解消され
血圧の数値も安定し、(私は家事の負荷は増えたけれども)
これはこれで良かったのかも知れない・・
そう思っていました。
ところがです。近頃、事態は新たなフェーズへと突入!
なんと、これまでは自宅から駅、会社の最寄駅から会社までの
往復で補えていた「運動量」が丸っとなくなってしまったことで、
彼は目に見えて太ってきてしまったのです。
もともと食べるのが好きな人ではあるのですが、
若いころとは違い、人間50年近くも生きていれば、
やはり寄る年波の”代謝量”には抗えません。
加えて、朝から晩まで机の前で、
打ち合わせだ~、会議だ~なんだと縛られてほぼ静止状態。
テレワークでの”妙なストレス”が、
手近にある”おやつ”の間食へと走らせ、
そこに来てのこの運動不足。
これで中年男子が太らずに居れるわけがないのです。(涙)
「どうにかしなくちゃ・・・」
でも、ご飯やおやつを食べる楽しみは削れない。
むしろ、いま、これだけは、削ってはいけない。
何とかして、「運動量」を増やさないと・・・。
でも、どうやって?
これまでにも、何度か夫には、
「このままだと、健康を害してしまうし、
病気にでもなったら私はすごく悲しいよ?」
「適度に運動してみては?」
などの提案をしてきました。
でも、人間だれしも、自分以外の誰かや環境からもたらされる
「外発的動機づけ」では早々本気にはなれないものです。
そう私は、夫が自らよろこんで「運動量」を増やそうと
決心できるような「内発的動機づけ」を探していました。
「内発的動機」とは、何かを達成する・しないに関わらず、
それを行うことそのものが、生きる「歓び」や
「楽しみ」となるような動機のことを指します。
(詳細は、以前のブログ記事からどうぞ)
私は「運動に結び付きそう」なことで、
夫が理由なく「行うのが好きなこと」の洗い出しから始めました。
そして最終的に残ったのが、以下の3つ。
1、電車(鉄道オタクのため←ちなみにノリ鉄です。小学生の時から始めて、
日本全国ほぼすべてのローカル駅に下車したことがあるツワモノなのです。)
2、ダイビング(インストラクターの資格を持ってます。)
3、ゲーム(中学の時にドラクエにハマって24時間連続でやったこともある。)
現実的に考えた時、いくら、移動や運動が可能になるからと言って、
このコロナ禍で「1」と「2」は難しい。却下です。
残りの「3」は・・・と言うと、
益々家の中で過ごすことを助長してしまうのでは・・・?
*
実は、ここまでの件を、先月美容院に行った際、
半分愚痴めいた”世間話”として私は担当の美容師さんにこぼしたのでした。
すると美容師さんから、
思いがけない返事をもらったのです。
「みゆきさん、ドラクエウォークはどうですか?!」
ドラクエウォークとは、
正式名を「ドラゴンクエストウォーク」と言い、
どのような仕様かごく簡単に説明すると、
GPS(地図機能)と連動した架空の居住エリアに設定されている
複数の目的地まで歩く途中で敵と遭遇し、戦い、
勝つほどに仲間やポイントをゲットして
なおかつステージがあがってゆく・・・
とそんな感じのスマホアプリゲームのようです。
「こんな今時のゲームに反応するかなあ・・・?」
半信半疑でその晩早速夫に軽~く提案してみました。
すると・・・!
夫、まさかのドはまり!!
忙しい中、隙間のような時間を見つけては、
いそいそ近所を散歩するようになったではないですか!
そのあまりの変貌ぶりに、こちらが面食らったほどです。
開始後、1日、2日、3日・・・1週間・・・
快調に夫はゲームにのめり込み、
嬉しそうにゲームの進捗状況を食事中に話すようになりました。
(よしよし、その調子だぞー。)
(これなら、5キロくらい、アッと言うまに落ちそう♪)
私は一生懸命歩いている夫がモチベーションを保っていられるよう、
「すごいね!」
「もうステージ1終わったの?!さすがだね!」
と、エールを送り続けました。
ところが・・・。
それは夫がゲームをはじめて2週間目に入った時でした。
ある夜更けのこと。ふと目を覚まして隣を見ると、
床に入った時には確かに居たはずの夫がいないのです。
「え?こんな時間になんで?どういうこと?」
不思議に思って2階を覗いてみても、
そこに夫の姿はありません。
まさか、どこかで倒れてないよね?!と、
トイレやお風呂場を見てもいない。
不安が頂点に達しそうになり、
「ま、まさか・・・よね・・・」
そう邪推した瞬間、玄関の鍵がガチャリと開く音が
静かな廊下に響き渡りました。
心臓が飛び出すかと思うくらい驚き、
暗闇の中を目を凝らすと、
そこには夫が立っているではありませんか。
「ちょっと、こんな時間に、何やってるのよ!」
思わず声を荒げると、
「ウォークしてた」
と、あたかも「トイレ行ってた」と言うのと同じトーンで返すのです。
「何言ってるの?心配するでしょ?!」
私のテンションは夫の平常心と反比例するように
ますますヒートアップしてゆきます。
「だって、昼間は仕事あって長時間歩けないからさ。
ウォークまとめてやるなら夜しかないじゃん!」
理屈として通ってるんだか通ってないんだか、
理論が破綻してないんだかしてるんだか分からない
夫の言い訳に私はブチきれ、思わず、
「あのね!私は、ベル(犬)や私のことを
ほったらかしてまで、歩けと言ったつもりはないの!」
と乱心しました。
すると、
「ほったらかしてなんかないよ!いつも一緒だよ!」
とぬけぬけと夫はのたまったのです。
「はああ!?ちょっと、何言ってるか意味がわからないんだけど!」
と、サンドウィッチマンの漫才よろしく私が応えると、
「見てみろよ、これ!」
そう言って、おもむろにスマホを操作した夫が
若干自慢げに突きつけてきた画面にはこんな映像が・・・・。
「ベル(犬)は、みんなを癒す力があるから僧侶の設定な。
みゆこう(←あ、私のことです^^;)は、
スタミナないし、攻撃力もなくてヘタレだけど、
魔法の呪文でなんとかいつも切り抜ける能力に長けてる魔法使いにした。
どう、配役、ぴったりでしょ?!」
おい、何がぴったりだよ・・・と聞きながら
半分白目をむきそうになりましたが、
言ってることが、微妙に当たらずとも遠からずであることに
一本取られたと言うか、攻撃力もとんと失せてしまい、
「もう、いい。わたし、寝るわ・・おやすみ」
そう言いおいて、部屋にスタスタ戻り、
休んでしまいました。
それからも、早朝起きるとすでに部屋に居ないとか、
昼休みも気づけばドロンと言う日々が続いているわけですが、
実は先日、この「内発的動機づけ」を解く方法を、
心理学で学んだので、もうしばらく、
夫のことは泳がせておこうと思っています。
その「方法」については、また近い内に
改めて書いてみたいと思います。